4福音書は同一の人物についての四つの並行的な物語であり、多くは同じ事柄を取り扱っているが幾分の相違がある。
イエスの誕生と幼少時代について語っているのはマタイとルカのみである。マタイとマルコはガリラヤ伝道の大部分を、ルカはペレヤ伝道を、ヨハネはユダヤ伝道を詳細に扱っている。
ヨハネはガリラヤ伝道の大部分を省略し、他の三人が記録していないエルサレム訪問の記事を載せている。
また、他の三人は最後の一週間を除いてはユダヤ伝道のことを全く省略している。最後の一週間についてはいずれも十分に記載し、マタイは1/3、マルコは1/3、ルカは1/4、ヨハネは1/2を占め、さらにヨハネは全体の1/3に当たる七章を十字架の日に用いている。
マタイ伝は二十八章、マルコ伝は十六章、ルカ伝は二十四章、ヨハネ伝は二十一章あり、ページ数においてはマタイ伝が最も多くマルコ伝が最も少ない。