ヨナ書
1、表 題:
A、(ヨナ)=鳩。
B、異邦人へのあわれみの書巻
2、著 者:
イスラエルの家と、アッシリヤに対して務めをなした、異邦人へのあわれみの預言者、ヨナによって書かれた。
3、年 代:
A、ヨナの務めは、イスラエルののヨアシとヤロブアム2世の治世の約15年間(B,C,785年−770年)にわ
たっている。
B、B,C 780年から770年の間に書かれた。
4、鍵 語:
A、怒る(り)…………………6
B、備え(られた)…………………10
C、下った、降りて行った。…………4
鍵句:
A、主の御顔 ………………3
5、鍵 節:
3章2、10節、
6、目 的:
A、イスラエルと同様に、異邦人に対する神の愛とあわれみとを証明するため。
(ローマ3:29、10:12)
B、不従順なしもべ達を取り扱われる主の手段を示すため。
C、メシヤの務めの型を示すため。
7、メッセージ:
A、神はかたよったことをなさらず、どの国の人であっても神を恐れかしこみ正義を行う人なら、神に受け
入れられるのです。(使徒10:34−35)。
B、神のしもべらは、神のあわれもうとする者をあわれまれることを知らなければならない。
C、不従順によって、神のしもべは自分の上に神の懲らしめをもたらす。
8、アウトライン:
Ⅰ、ヨナと嵐……不従順な預言者…………1章
Ⅱ、ヨナと魚……祈る預言者………………2章
Ⅲ、ヨナと町……説教する預言者…………3章
Ⅳ、ヨナと主……懲らしめられる預言者………4章
9、まとめ:
ヨナ書において私たちは、気が進まなかった預言者ヨナの宣教で悔い改め、神に立ち返る異邦人の大都市ニネベを見る。1章ではヨナが、主の御顔を逃れてヨッパに下り、船の中に降り、ついに神が備えられた魚の腹の中にまで下るのがわかる。次に3章では彼は神に祈り、魚から解放される。3章でヨナは、ついに神のメッセージをニネベに届け、町全体が悔い改めるが、4章でニネベを破壊してヨナの預言を成就しようとされない時、怒ってしまい、再び神によって懲らしめられる。
10、キリストの現れ:
キリストは、ヨナの体験を用いて彼自身の死、埋葬、そして復活、また悔い改める異邦人に対する異邦人に対する神のあわれみ(マタイ12:39−41)のしるしとし、ヨナよりまさった者として表されている。
ヨナ書(2)
1、性格
A、鍵語 『立って、あの大きな町ニネベに行き、(1;2節)
B、鍵句 『まして、わたしは、この大きな町ニネベを惜しまないでいられようか。そこには、右も
もわきまえない12万以上の人間と、数多くの家畜がいるではないか。』(4:11節)
C、大要
1、時期
本書の著者はヨナ 北朝イスラエル・ヤラベヤム一世の時、丁度アモスの時代でホセアの初期(ヨナの
存命中)BC783〜743年=列王下14:25参照、生まれた時などは、はっきり分からないがその
予言はこの時期より少し前であろう。
2、本書の文体
ヨナ書はおよそ預言書らしくなく特有の文体を持っていない。歴史書のようであるがまさしく預言書で
ある。1;2、3節 こじつけがましくなくむしろ自然味にあふれている。
3、歴史的背景
アモス、ホセア、の歴史的背景と同一。本書の預言、歴史的物語の舞台はユダヤ人ではなく異邦人である。
ニネベに対しての預言、歴史的叙述である。列王下14:23〜27
Ⅱ、分 割
A、神がニネベの悔い改めにヨナを預言者として任命=1:1、2節。
B、ヨナの不従順と逃避の絶対不可能な神の御手 1:3〜17
C、ヨナの懺悔の祈り 2章
D、ヨナの従順とミニストリー 3章1−4節
E、ニネベの覚醒と悔い改め、 3章5〜10
F 、ヨナの怒りと神の訓戒 4章
Ⅲ、使 命
1、神はユダヤ人なぜ選ばれたかという目的がわからなかった。神はそれが間違いであるとを知らしめた。
(ガラテヤ3:14節)
2、神の愛が全てのの民に望んでいること。
Ⅳ、教 訓
*ヨナが三日三夜、魚の中。 イエス・キリストの死の事実・葬り、復活、イエス・キリストご自身の型。
*パウロは常にヨナのことを意識していたに違いない。コリント⑴ 15:3、4節
イエスご自身もヨナのことを御自分の型としていっておられる。マタイ12章38〜42節
*ヨナはイスラエル人の典型である。彼が逃げたのは恐れたからではない。
彼の怒り=彼は異邦人が嫌いであった。異邦人が悔い改めて滅ぼされなかった。