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このWEBサイトは生駒聖書学院創立者であるレオナード・クート師の当時の資料を保存、共有しています。聖書の学びの助けになれば幸いです。

クート師説教集

列王記略(下)

(2007-01-24)

(1)この書は列王上に続いて、2王国すなわちイスラエル国とユダ国の歴史が続いている。
この2王国 はソロモン王の死後分裂したもので、
この書はアハブ王より俘囚となるまでの300年間の2王国の歴 史である。

(2)エリヤとエリシャの奉仕
本書の前半はエリヤの後継者エリシャの奉仕について記されている。
エリシャの行った16の奇跡が記 録されている。エリヤの奇跡は、ただ8つだけである。

(3)後半はサマリヤの滅亡とイスラエルの俘囚、エルサレムの滅亡とユダの俘囚を招いた事件など。
この書を7つに分割することができる。

a.エリシャについての説明と奉仕・・・1章?2:11
b.エヒウの油注ぎに至るまでのエリシャの奉仕・・・2:12?9:10
c.エヒウのイスラエル統治・・・9:11?10:36
d.アタリヤおよびヨアシのユダ王国統治・・・11:1?12:21
e.ユダの王ヨアシのイスラエル統治とエリシヤの最後の奉仕・・・13:1?25)
f.エリシャの死よりイスラエルのバビロン俘囚まで・・・18:1?25:30

(4)308年間に亘る事件

(5)列王記下に記録された時代には様々な預言者が奉仕した。次の如し。
a.イスラエルではアモスとホセア
b.ユダではオバデヤ、ヨエル、イザヤ、ミカ、ナオム、ハバクク、ゼパニヤ、エレミヤ

(6)重要なる人物の引照と研究
a.エリヤ、エリシャ、アハジヤ王、1章
b.ゲハジ(エリシャの僕)4:25
c.スリヤ王の軍勢の長ナアマン(らい病人)5章
d.エヒウ 9:2
e.イゼベル(アハブ王の妻)9:4
f.ヨアシ(11:2)
g.ヒゼキヤ(18:1)
h.預言者イザヤ(19:6)
i.神をそしったアツスリヤ王セナケリブと彼の働き(19:6)
j.ヨシヤ22:2
k.バビロン王ネブカデネザル24:1


(7)重要なる地理的場所
a.ギルガル 2:1
b.ベテル 2:2
c.エリコ 2:4
d.シュネム 4:8
e.カルメル山 4:25
f.スリヤ 5:1
地図によってこれらの場所を探して自分でよく実際に調べてください。



第1課 アハジヤ


(1)「あなた方がエクロンの神、バアル、ゼブブに尋ねようとして行くのは、
イスラエルに神が無いためか。(この言葉は3回記されている。3節、6節、16節)。
堕落の原因は一節と一章の中にも記されている。アハジヤは高殿の欄干から落ちて病気であったが、
彼は神に、この病気がなおるように求めず、偶像に使者を遣わした。


(2)3回、50人の部下を潰した。しかし2回とも日によって焼き尽くされた。
a.何故このような事が起こったのかと一般的な疑問が起こる。
一つの理由は先の2人の長と第3の長の態度を比較すると知ることができる。
先の2人の長はエリヤを主の預言者としての立場をわずかしか認めていなかった。
それはエリヤの言った言葉「もし私が神の人であるならば」と言ったことに注意してください。
単なる説教者でなく一般の伝道者でもなく神の人である。奉仕に対する召命の確信、
驚くべき密接なる神との関係ではないでしょうか!先の2人の長がエリヤを
「神の人」と読んでも彼らはその言葉を真に悟っていない。然し第3番目の長は
「ひざまずいて、そして彼の人々の命のために懇願した(13節)


(3)エリヤがいつも天との密接な関係を持っていたことに注意せよ。すなわち
a.主の使いが言った・・・15節
b.エリヤが言った主の言葉・・・17節


(4)エリヤの奉仕はここで終結して次の章においては彼が「神と共に歩んだ者」。
驚くべき我らの手本として示されている。
先にエノクについて私どもは「エノクは神と共に歩んだ」という一文章だけを知っているが、
ここには神と共に歩んだものの日々の生活からその歩みを知ることができる。
皆さんはエリヤの歴史を読む時、私どもも真に神の人であることを
日常生活の中に証明することの必要性を知るようにしなさい。


第2章 エリヤの天に移されること


(1)移される前の出来事・・・1節?8節
(2)移されること・・・9節?11節
(3)エリシャの最初の奇跡・・・12節?15節
(4)預言者学校の不信仰・・・16節?18節
(5)エリシャ第2の奇跡・・・19節?22節
(6)あざける子供に下った裁き・・・23節?25節


(1)転身前の出来事(1?8)


a.これはエリヤが天に移される以前の事件として良く知られている出来事である。
「主がエリヤを天に上らせようとされた時」1節また3節には、
預言者のともがらがエリヤが天に上ることの近いことを知っていたことが表されている。
同様にキリストの再臨の時、聖徒達は普通の常識において知られる。
しかし確実な日、時は知り得ない。マタイ24:3?15、
また25:1?13の10人の乙女の物語は、この重要な出来事の一般的な印である。


b.エリヤがギルガル、ベテル、エリコ、ヨルダンを訪れたのは明らかに預言者の息子たちを激励し、
感動させるためであった。同様に、聖書学校の学生は、
今日、主のため全力をあげられるように主を信ずるように多くの伝道者、牧師の訪問によって感動させられる。


c.エリシャの忠実と忍耐(エリヤと共に続けることにおいて)


経験のある年配の主の働き人と協力して交わって、主のご奉仕を始めようとする若い人を励ます。
良き例として、若きテモテとパウロの中にこの事を見出す。

d.エリヤの最後の奇跡(8節)
ヨルダン川を2つに分けたこと。このことはキリストの再臨において、
ある定まったところで、必ずすべての事に対して死が重要であることを表す。

(2)「私が取られてあなたを離れる前に、あなたのして欲しいことを求めなさい」9?11


a.この言葉が、神がソロモンに言われた事を思い出させる。
同様にマタイ21:22の「祈りの時、信じて求めるものは、みな与えられるであろう」
との聖句を思い出させる。信仰、祈りに対する大きいチャレンジである。


b.「2つの分」9節
これは大胆な要求である。ただしエリシヤはエリヤの倍の奇跡をなしたことによって証明された。


c.「むずかしいこと」10節
このむずかしいというのは値段が高いか、だらしない生活のためではない。十分な、完全な献身を意味する。


d.条件に注意せよ。
「私が取られる時、あなたが私を見るならば」


e.天にあげられること 11節
「彼が進みながら語っていた時」即ち2人がその行為を続けている時に天にあげられたことを覚えよ。


f.火の車、火の馬
聖書中に、火は神を表す象徴とされている。マタイ12:11(聖霊と人によってバプテスマを授ける)




(3)エリシャの最初の奇跡 12?15
エリヤは8回、エリシャは16回の奇跡を行った。

エリヤの行った8回の奇跡
(1)天を閉じる 列王 上 17:1
(2)油を増す 列王 上 17:14
(3)やもめの息子を甦らせる 列王 上 17:22?23
(4)天より火を下す 列王 上 18:38
(5)雨 列王 上 18:45
(6)50人を焼き尽くす 列王 下 1:10
(7)同上 列王 下 1:12
(8)ヨルダン川を分ける 列王 下 2:8


エリシャの16回の奇跡(2倍)
(1)ヨルダン川を分ける 列王 下 2:11
(2)良い水に変える 列王 下 2:21
(3)林からくま 列王 下 2:24
(4)王のための水 列王 下 3:20
(5)やもめのための油 列王 下 4:1?6
(6)息子をあたえられる 列王 下 4:16?17
(7)息子が死より甦る 列王 下 4:35
(8)野菜の煮物の奇跡 列王 下 4:41
(9)パンを増す 列王 下 4:43
(10)ナアマン大将の癒し 列王 下 5:10
(11)ゲハジを悩ます 列王 下 5:27
(12)おのが泳ぐ 列王 下 6:6
(13)目を開く 列王 下 6:17
(14)目をくらます 列王 下 6:18
(15)元通りになる 列王 下 6:20
(16)葬られた人の奇跡 列王 下 13:21


(4)預言者学校の不信仰 2:16?18
聖書は神の言葉を額面通り受ける神の潔い人の素晴らしい信仰を教えると同時に、
ここに記されている如く、神を疑う人間の不信仰も記されている。

(5)2番目の奇跡 2:19?22
「良い水」全く癒された。


(6)23節、この裁きはエリヤが取り去られたことに関して、
神を侮ったことに対する神の摂理である。



第3章 エリヤとエリシャの比較・対照


注1.エリヤとエリシャの類似点は両者とも同国、同時代の予言者であって、
しばしば混同されるほどに両者ともに偉大なる予言者である。


a.どちらも王に対して神のメッセージを語った。


b.両者とも同じような奇跡を行った。即ち、やもめの油を増し、死人を甦らせる。


c.奉仕は両者とも偶像に対抗して、イスラエルにおいて真の神を拝するようにした。
両者間において、これほど顕著な十分な類似点はない。


注2 両者の対照


a.エリシャは平和の予言者と称せられ、エリヤは砂漠の予言者と称せられた。
また火の予言者とも言われている。エリヤはバプテスマのヨハネのごとく、
エリシャは愛の使徒と称せられた穏やかなヨハネのようである。
エリシャはエリヤの身から落ちた外套に信頼する、優しい愛の霊を表した。


b.エリヤが長いもじゃもじゃした巻き毛の持ち主であるのに対し、エリシャは刈り込まれた。


c.エリヤは荒野の寂しいところで一人で住んでいたのに返して、エリシャはサマリヤで彼自身の家があった。


d.エリヤはあっさりと、そのままの性質であって、彼の奉仕のために準備したという記録は見いだされない。



3章の物語は3人の王の物語である。
ヨラム(イスラエル王)
ヨシャパテ(ユダ王)
メシヤ(エドム王)


この3人の王が同盟して戦う。10?14



注3
 エリシャはユダ王、ヨシャパテが世俗的偶像教の王と同盟したので非難する(第2コリント6:14?17を読んでください)

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