(2020-12-21)
ダニエル書
1、性格
A、鍵語 主は裁き給う
B、鍵句 4:25=いと高き方が人間の国を支配し、その御心にかなう者にお与えになることを知る
ようになります。
C、大要
1、(イスラエル民族の歴史的に)本書はユダの首都とエルサレム滅亡後、異邦国の権力下におかれたイス
ラエルの運命を語り、亡国の民として選民イスラエルが、異邦権力下にありながらも主こそ世界人類歴
史の審判者であり、イスラエルの守護、復興者であると信じた涙ぐましい希望の書である。
2、(世界歴史的に)本書の内容はエルサレム滅亡後の世界歴史の変遷からなる。
その世界歴史は四つの帝国の栄枯衰勢の歴史となっている。その世界史は、ネブカデネザル王の見た夢
の金、銀、銅、鉄、からなった巨大な像とダニエルの見た夢の4匹の巨大なけものとに顕著に黙示され
ている。
ダニエル書は2方面から 1、民族史的、 2、世界史的 他の書には無い。
Ⅱ、著者
1、ダニエル 7:15、28、8:1、15節『我ダニエル』
主御自身も正しいことを証明=マタイ24:15、
2、a、 BC606年頃、バビロンの進略を受けてエルサレムに連れて行かれた虜囚の一人、1:1〜6
b、バビロニヤ帝国の勃興から滅亡まで、1:1〜ペルシャの初代王クロスの3年まで、10:1節
BC、606年〜536年迄〜70年間
c、彼の居住=シナルー1:2、
3、ダニエルは名門の出身……王室又は貴族の出、1:3
彼は人間的にこの上もない程申し分のない青年1:4
4、ダニエルは、バビロニヤ、メデヤ、ペルシヤ、”帝国”に仕えていた。
5、王の命によってダニエルは博士の首であった。4:9、5:11、
Ⅲ、他書との関係
ダニエル書= 未来的予言の規模又はその範囲は旧約聖書中筆頭である。
本書の予言は民族のみに限定されたものではなく、世界的な広さを持つ。これは新約の黙示録に類似している。ダニエル書の予言は主に異象から来ている。エゼキエル書の予言も異象であるが、ダニエルの異象とは違う。内容、性格ともに異なっている。エゼキエル書が難解な書である如くダニエル書も勝るとも劣らない難解な書である。
Ⅳ 分 割
A、歴史的序実 1章〜6章
1、異教徒間に置ける少年ダニエルと三人の友の世俗的享楽生活に対する謹厳の律法生活。1章。
2、ネブカデネザルが夢に見た4種の原質をもつ巨大な像をダニエルは解明して世界の四大帝国の興亡を
予言した。2章
3、ダリヨス王の治世元年、ダニエルはイスラエル回復のため断食祈祷をし、後天使再びダニエルに来たり
70週の予言の解釈を受く。9章。
4、クロス王の治世の3年に天使再びダニエルに来たり幾世代にわたる不敬虔な非人道的な王たちと王国と
の横暴ぶりをパノラマ式に現し、その最後と神の審判の厳しさを示して彼の信仰の勝利を約す。
10章〜12章
ⅴ、使 命
本書の主眼とする点
1、神が世界における幾世代にわたっての絶対的主権者である事。
2、選民の信仰を試練のうちに激励する。
Ⅵ、教 訓
1、ダニエル他三人の謹厳な律法生活
(モーセの十戒の枠にこだわったものでない)
関連聖書箇所:ダニエル書