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聖書概論

ネヘミヤ記

(2020-09-17)

ネヘミヤ記

1、性格  A、鍵 語  苦禱と労苦
私はこのことばを聞いたとき、すわって泣き、数日の間、喪に服し、神の前に祈って、
    
C、大 要
 ネヘミヤ記は苦祷(エルサレム城壁の破壊に対する神への熱心な祈り)と労苦(修理、建設のための民の働き)を中心としている。先にエズラ書に於いては神殿建設を中心にした宗教的な面を学んだが、本書はエルサレムを囲む城壁の建築を主とした政治的意図を教えている。
2、著者 ネヘミヤ
*彼はハカリヤの子である。1章1節  10章1節
  系図は明らかでない。
*彼はペルシャ王アルタシャスタの酒人として重用されていた。1章11節、 2章1節
*彼はエルサレムの破壊を聞いて嘆き悲しんだ。  1章4節
*愛国心に燃えていた。   2章3節、 詩篇122篇6、7節を見よ。
*彼は又、祈りの人であった。しばしば断食し神に祈祷を捧げている。1章5−11、2章4、4章4節
  5章19、6章9、14、13章14、13章22、31節
*ネヘミヤは単に情熱家であったばかりであったばかりではなく努力家で、実行家であった。2章5、8節
  彼は物事に堅実な人で実情を正しく、詳しく見極めて、ことを行う人であった。2章12節
*彼は良き指導者であった。 2章17、18節
*ネヘミヤは沈着大胆な人で、何事にも心動かされる事のない人落ち着いた人であった。
  2章19、20節 4章7、8節

3、他の文書との関係
 エズラ書が御教会の完成を主題としているのに対して本書は患難時代を通じて千年期の来るべき地上王国
の完成を目論んでいる。
 エズラ書が御國的なのに比して本書は地上的政治的である。エズラ書と本書との関係はエペソ書とコロサイ書の関係に似ている。本書は旧約に於ける歴史書の最後である。
 マラキ書はこの時代に書かれたものと考えられる。
 エステル記は時代的にはネヘミヤ記の出来事と考えられる。

4、分 割
A、ネヘミヤの召命      1章1〜2章10節
 1、エルサレムの悲惨な報告をユダの人ネヘミヤにもたらす。 1章1ー3節
 2、実情を聞いたネヘミヤの悲観と彼の熱烈な祈祷      1章4ー11節
 3、ネヘミヤの上奏と王の勅命               2章1ー2章10節

B、エルサレムの築城         2章11〜 6章
 1、実情調査の為、ネヘミヤはエルサレムへ上り視察した。  2章11〜16節
 2、民らへ対する工事着任への鼓舞、激励        2章17−20節
 3、工事の分担と各自の補修作業            3章
 4、敵の妨害に対する武装を施しての従事        4章
 5、民の困窮と富裕者に対するネヘミヤの適切な取り扱い 5章
 6、種々の妨害にも関わらず52日目に補修工事完成   6章

C、ネヘミヤのバビロン帰国と民の組織化 7章〜12章
 1、ネヘミヤ、ハナニとハナニヤをして、エルサレムの警備に当たらしむる。7章1−4節
 2、捕囚より期間の人々と工事に費やした財源           7章5−73節
 3、民の大聖会とエズラの律法の解き明かし。           8章
 4、神に対する民の懺悔と約束                  9章
 5、契約に調印の人名と契約の内容              10章
 6、当時のエルサレム在住の人々               11章
 7、民らのエルサレム築城落成式               12章

D、ネヘミヤのエルサレム帰還と改革の断行           13章
 1、民らの律法を聞きて雑婚の民を離別す           13章1ー3節
 2、祭司の堕落と神殿の潔め                 13章4ー9節
 3、レビ人の職務復帰                    13章10−14節
 4、安息の厳守                 13章15−22節
 5、異邦人との雑婚厳禁        13章23ー31節

5、登場人物
 ネヘミヤ、ハナニ(ネへミヤの兄妹)ハナニヤ、アルタシャスタ、エズラ、

6、使命
 模型的には御教会並びに御國の完成は信者の祷告と愛の労苦、又、望みの忍耐が必要とされる。

7、教訓
 主題の”労苦、苦祷の如く、教会の基礎であるものは祈りであり、犠牲である。
 テサロニケ前書1章3節 ”愛の労苦、将来に対する希望、苦祷、愛の故の苦しみ、愛の行動。

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