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聖書概論

聖書概論

(2012-05-17)

聖書概論 総論
•位置 最高位にある。他学科に先んず。不可欠なものである。
•目的 聖書の総合的な大局的な把握にある。
•大 別すると旧約聖書 前39巻 新約聖書 前27巻 計66巻

○旧約
A 原理 イスラエル民族の起源とその進展。創•出•利•民•申の5巻。掟の書モーセの5巻
B 歴史書 イスラエル民族の興亡盛衰記。ヨシュア?エステル 12巻。
C 詩歌 全盛期黄金時代の文学。ヨブ•詩•威•伝道•雅 5巻
D 予言書 衰退期•暗黒時代の文学。イザヤ?マラキ 17巻

○新約
A 原理 イスラエルの生んだキリストの生涯。生誕から復活昇天まで。マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4巻。四福音書。共感。
B 歴史書 一人の人による世界統治の開始。使徒行伝の一書。使徒行伝
C 書簡 イエス自身とその教え基礎として打立てられたキリスト教の根本教義。
D 予言書 キリストによる完全なる世界統治のひな形
ヨハネ黙示録一書。完全なる未来。

• 旧約聖書は律法(おきて)を通じて神の家、或は宮の基礎原理を教える。
•新約聖書はイエスの教えを通じて教会の根本原理を教えている。
• 旧約聖書の位置、礼拝活動の中心は幕屋(神殿)にある。
•新約聖書の位置、礼拝活動の中心はキリストの内在する信者の心または教会にある。

● 聖書の期限 誰が(who)いつ(when)どこで(where)いかにして(how)なぜ(why)書いたか。

A. 著者
1. 神ご自身 テモテ後3:16 「聖書はみな神の感動によるものにして教えと戒めと矯正と義を薫陶するに益あり

2. 人 ・その階級
A 国王。主権者 ダビデ、ソロモンの如き。
B 政治家 ネヘミヤ、ダニエル
C 祭司、宗教家 エズラ
D 最高学術教育者 モーセの如き。
E 律法家(神の聖のおきて パウロ
F 医者 ルカ
G 預言者 サムエル、イザヤ、エレミヤ、エゼキエル
H 羊飼 アモス
J 漁師 ペテロ、ヨハネ、ヤコブ

B. 年代
1600 年の長期にわたり書かれた書物である。
初めに書いた人 ー モーセでBC1492年と言われている
終りに書いた人 ー ヨハネでAC100年と言われている

完成された書籍中聖書ほど古く長い歴史を持った書物は他に類をみない。

C. 所在 旧訳時代の世界全域に及ぶ(地中海を中心として)

1 アラビヤの荒野(砂漠)モーセの五巻
2 地中海の一孤島パトマス島にて ヨハネ黙示録
3 牢獄の中で パウロの書簡の一部
4 シナイ山上で モーセの十戒
5 パレスチナの丘や町において 預言書、歴史書など
6 エルサレムの神殿内において 詩歌
7 ベテルまたはエリコの預言者の教えている教育施設にて
8 ユーフラテス川支流ケバル川のほとりにて 預言書(エゼキエル)

D.方法

1 出32:16 この板は神の作なり。また文字は神の書にて。板にほりつけてあり
2 神は人の指の如きものにて書かれた。 ダニエル5:5
3 イエス指にて地に物、書き給うた。 ヨハネ8:6
4 神の感動によって
5 聖霊に動かされて。ペテロ後1:21
6 人が手を持ち意志的に書いた。記憶によって。 ルカ1:1-4

E.理由・目的
1.聖書の真実を明確に説明しさとらしむるため
2.神の性質に与えらせしめんため。信者 と教会の得をたてる
3.神を知らんと欲する人の求めに応じて
4.造り主なる神を直接人間に知らせるため啓示せしめた
5.人に自ら を知らせるために。聖書は人間の如く何人であるかを知らしている。

●聖書はかようにして神の言である

A.神より離れて当 然地獄の火の中に投入されるべき運命の持ち主の罪人がやがてなるべきことを自ら記述するはずがない。また悪魔も然り。
B.聖書は律法(神本来のお きて)を守る様に命じている。
C.聖書における神は自身の存在に関して他のすべてを無視して否定し自身を絶対的に宣言している。(絶対唯一の神で ある) しかしその存在を説明する様なことをことさらには言っていない。
D.聖書中、英訳によると「神」という言葉が4402回記されている。聖書中あら ゆる単語の中で最も多い言葉が「神」ということばである。

●旧訳と新約との比較・対照・引用
a.両者の存在意義と使命。旧訳新約 とも神の啓示による事をもってキリストを中心に、また基礎に相方異なった面よりキリストのみ書き表している。旧ー律法的 新ー恩恵的

b.
1 旧訳の教える神 ー 愛はないではないが正義とさばきで人に対する要求は律法の完全服従の負いめにある
新約の教える神 ー 正しくないではないが、愛とあわれみを持って恵む父なるお方で、人に対する要求はすべての人の悔い改め(立ち返り)のみで何らかの負債をかせない。

2 新約の構成はその基礎と母胎を旧訳に於いている。すなはちイエスの御言、また使徒等の言中に、旧訳の律法書、詩歌、預言書よりの聖句が多数引用されてい る。
旧訳は新約により説明、または説明づけされ確立した。旧における新の予告は、ひな形、影、象徴をもて表されている。

c. 旧・新約の対照

旧訳
1.旧訳は新約を予想した
2.旧訳は新約に約束した
3.旧訳は新約を予期した
4.人間観。人間は無能で律法を絶対まもれない
5.誰かの来ることを叫んだ
6.来たるべきメシヤを希望の内に待ちその十字架を 仰ぎ望んだ

新約
1.旧訳の予想は新約にして実現した
2.旧訳の約束は新約にて成就した
3.一方旧訳の予期は確証 された
4.神の恵みと信仰により力を受けすべえてのことをなしうる
5.誰かの来たことを叫んでいる
6.新はメシヤの到来と十字架 の事実を振り返ってみている

d.新約に見受けられる旧訳の引用。 全体として約250ほどあり。

1.4福音書のみで 183回 マタイ70 マルコ33 ルカ40 ヨハネ40
2.新約の9書中 創世記よりの引用 ー 19回
3.新約の12書中 出エジプトよりの引用 ー 24回
4.新約の8書中 レビ記よりの引用 ー 12回
5.新約の1書中 民数記略よりの引用 ー 1回
6.新約の13書中 申命記よりの引用 ー 26回
7.新約の12 書中 詩篇よりの引用 ー 59回
8.新約の6書中 箴言よりの引用 ー 6回
9.新約の11書中 イザヤ書よりの引用 ー 50回

旧 訳と新約の中間時代
a.旧訳の最後 マラキ書 ー バプテスマのヨハネにいたるまで400年の空白時代
b.上記400年の空白時代を通称 「沈黙忘却暗黒時代」という
c.その時代の存在理由。イスラエル民族が神をすて神もまた彼らを見放していた

 

関連聖書箇所:創世記

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