救い主到来の予告

私の名を恐れるあなたがたに、義の太陽が上がり、その翼には、癒やしがある。(マラキ4章2節)

一、約400年の中間時代
 実は、およそ400年もたっていたのです。マラキ4章5、6節に預言者エリヤの再来が約束されていますが、これが、バプテスマのヨハネにおいて実現したのです(マタイ3章1−3節11章7ー15節)。そして、この間、聖書に残る記録は何もありません。
 この400年もの長い間、神は何をしておられたのでしょう。救い主を送ってくださるという約束を忘れてしまわれたのでしょうか。
 いいえ。神はすべてを作り、すべてを治めておられるお方です。時間も神の被造物であり、神がつかさどっておられるのです。ですからこの400年も神の側からすると、理由のある必要な時であったのです。

二、諸帝国の興亡(ダニエル7章)
 ダニエル書に、その時代以降、世界がどのように推移するかについての啓示が与えられています。それから見ても、神が与えられた400年であったことがわかります
 10月に学んだダニエル2章の巨大な像の幻と同じように7章の四頭の獣は、新バビロニヤ帝国からメディヤ・ペルシャ、ギリシャ、そしてローマ帝国と、この時代に次々に入れ替わっていく諸帝国を示しているようです。
 中間時代と呼ばれる時代についても、世界にの動きを予告しておられる神ですから、決して約束を忘れてしまわれたのではありません。
 ダニエルは、2章でも救い主の到来を予告しましたが、7章では『人の子のような方がおいでになる』と言いました(13節)。これは救い主イエス・キリストのことです。

三、『その日が来る』(マラキ 4章)
 旧約聖書の最後の預言者として、マラキも、救い主の到来を預言しました。神がご計画された、その長い期間を、神の民が忍耐をもって待つことができるようにと、この約束が与えられたのでしょう。
『見よ。その日が来る』(マラキ四章1節) と必ず来ることになる神のご計画の実現の日を神に信頼して待つように、イスラエルを励ましてくださったのです。
 マラキもまた、救い主がおいでになる前に、その備えをする『預言者エリヤの再来』ともいうべき人物、つまり、バプテスマのヨハネの誕生も予告しました(5節)。
四、治めておられる神
 神は、確かに歴史を支配しておられます。預言者が起こされず、神が沈黙しておられるように見えた中間時代にも、神は歴史を支配しておられたのです。
 私たちも、時に神が沈黙しておられるような気がすることがあります。神はお約束をお忘れになってしまわれたのか、と思うことがあるかもしれません。
 けれども、神は生きておられます。400年もの時を超えて、みこころを実現なさるお方です。人には見通せなくても、神はご存知で、確かにみこころを行ってくださるのです。そして神はご自身のみこころを行ってくださるのです。

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