迫害

主はすべてのわざわいから、あなたを守り、あなたのいのちを守られる(詩篇121編7節)

一、パウロが捕らえられる。(使徒21章27ー36節)
 エルサレムに戻ったパウロは、伝道旅行の報告をしました。エルサレムのクリスチャンたちは、神のなさったことを聞いて、神をほめたたえました (19、20節)。ところがアジヤから来た ユダヤ人たちが、群衆を扇動して騒ぎを起こしました。しかし、27ー29節を読むと、これは全くの誤解であったことがわかります。
 パウロが殺されそうになった時、ローマの千人隊長が駆けつけ、パウロを取り調べるために兵営に連れて行くよう命令しました。パウロは危機一髪のところで助けられました。千人隊長がやってきたのは、偶然でしょうか。いいえそうではありません。ここには神のご支配があるのです。パウロを遣わした神は、決してパウロを見放さず、守り、ご自身のご計画を進め、完成させるお方なのです。

二、パウロが弁明する(23章1ー11節)
 翌日、千人隊長はパウロに、ユダヤ人議会において弁明させました(22章30節)。
 議会にパリサイ人とサドカイ人の二つのグループが出席しているのに気づいたパウロは『私は死者の復活という望みのことで、裁きを受けているのです』と叫びました。それは、この二派が争っていた問題だったからです。パウロは、この場で二派の激しい論争と分裂が起こり、復活の福音をの宣べ伝える好気となることを願ったのでしょう。これによって、どんな状況にあっても人々に福音を宣べ伝えるというパウロの熱情と、どんな状況にあってもそれを生かし弁明し、キリストを証ししようとする心境がわかります。
 11節を読みましょう。主は、パウロを励まし、今後のご計画を示されたのです。迫害の中でパウロは、与えられた使命を確信したことでしょう。

三、パウロが保護される(23章12ー35節)
 さて、ユダヤ人たちは徒党を組み、パウロ暗殺の計画を企み、実行しようとしました。
この計画に加わり殺意を燃やしていた人たちは、四十人以上もおり、彼らは、断食をしてまで暗殺計画を一途に進めていました。
 ところが、パウロの姉妹の子がこの情報を聞きつけて、パウロに知らせました。その結果、ローマ兵四百人以上に守られて、カイザリヤに出発することになるのですが、16ー24節を読みましょう。人生に危機が、神によって益として用いられることがあるのですね。これらのことを通して、神の不思議な守りと導きが働いていることがよくわかります。
 千人隊長は、総督ペリクスへの手紙を書いて、パウロをカイザリヤに誤送するように二人の百人隊長に命令したのです。
 ペリクスに当てた手紙の内容を見ましょう。
1、パウロが訴えられているのは『ユダヤ人の律法に関する問題のためで、死刑や投獄にあたる罪  
 はない』(29節)。
2、パウロに対するユダヤ人による『陰謀があるという情報を得ましたので』そちらに送る(30節)
 パウロは、命をかけてキリストを宣べ伝え、幾多の迫害をうけなければなりませんでした。 (?コリント4章8、9節) しかし『わたしが弱いときにこそ、私は強い』(?コリント12章10節) とあるように、パウロはいつも全能の主にゆだねることによって信仰の確信に溢れ、力強く巧みに問題を解決できたのです。どんな状況にあっても必ず、助け出すことのできる神に信頼しましょう。

『わたしたちは、四方から八方から苦しめられますが、窮することはありません。途方にくれますが、行きづまることはありません。迫害されますが、見捨てられることはありません』        (?コリント4章8、9?)  

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