『主よ。お話しください。しもべは聞いております。』(サムエル記第1 3章9節)
"Speak, LORD, for your servant is listening." 1 Samuel 3:9
一、母の献身(サムエル記第11章)
エフライムの山地に住むエルカナという人には、二人の妻がいました。一人はハンナ、
もう一人はペニンナといいます。ペニンナは子供のいないハンナを見下し、軽蔑していました。ハンナは、子供のいないことを非常に悲しみ、食事ものどを通らないほどでした。10節を読んで下さい。何によっても、慰めを見出せないハンナは、自分の悲しみをすべて神にぶつけて祈り、泣きました。神を信じる私たちの幸いはここにあります。誰も理解してくれない悲しみや、苦しみのすべてに耳を傾け、受け止めて下さる方がいるということです。
ハンナの祈りは、最初は子供を与えて下さいと求めるだけのものだったでしょう。しかし、祈りの中で、ハンナは変わりました。18節を読んで下さい。祈り終わった彼女の顔は静かな平安に輝いていました。それは、神のみこころならば必ず子は与えられるという確信、そして子供が与えられても、ペニンナを見返すのではなく、神にささげようという決心のためでした。私たちも心に何か心配や悲しみがあるならば、まず祈りましょう。
㈵ヨハネ5章14節を読んでください。神は、みこころにかなう祈りならば必ずその祈りを聴き、祈りの中で私たちの心そのものを変えてくださるのです。
神はハンナの祈りを聴き、子供をお与えになりました。ハンナはその子をサムエルと名づけ、神のものとしてささげるため、祭司エリのところに連れていきました。
二、エリの献身(㈵サムエル2章)
サムエルが仕えることになった祭司エリの家には二人の息子がいましたが、この二人は神を畏れず、悪いことばかりしていました。神は、そのため、エリの家に対して厳しいさばきを申し渡しましたが、同時に、みこころかなう祭司、即ち、サムエルを養い育てるという仕事をエリにお与えになりました。これはエリにとって慰めでした。最後まで神のお役に立てることを感謝しつつ、エリは一生懸命サムエルを育てたのでした。
三、サムエルの献身(㈵サムエル3章)
幼いサムエルはエリの言いつけに従い、毎日忠実に主の宮で自分に与えられていた仕事をこなしていました。そんなある日、主の宮で寝ていたサムエルは、自分を呼ぶ声に目を覚ましました。年老いたエリの声だと思って急いで行くと、エリはサムエルを呼ばなかったと言います。三度目にサムエルがエリのところに行った時、エリは、その声が神のものであることに気づきました。そして『主よ。お話しください。しもべは聞いております』と答えるようサムエルに教えたのです。言われた通りにしたサムエルに、神はエリ家への裁きのことばを託されました。サムエルは、神のことばを預かり、それをすべて人々に告げるという預言者として第一歩を踏み出したのです。今日の聖句を読んで下さい。私たちも聖書を読む時、このように神の前にへりくだり、神に聞く姿勢をとるならば、神はみことばを通して私たちに語りかけ、教え、慰め、導いて下さいます。