テモテ

 あなたの若い日に、あなたの創造主を覚えよ。(伝道12章1節)

So remember your Creator while you are still young.(Ecclesiastes12:1)

一、テモテの働き(使徒16章1−5節)
 最初に、1応テモテの働きを見ましょう。彼は、パウロの『同労者』たちの中でおそらくパウロに一番近い人物でした。パウロがしばしば『信仰による真実のわが子』といった呼び方をしていることから、パウロがテモテを信仰に導いたと考えられています。しかし、使徒16章1節の記述の仕方から見ると、パウロに出会う前にすでに信仰をもっていた可能性も強い(或はパウロの第一回伝道旅行の時に信仰に導かれたのかもしれない)。テモテの信仰の根が祖母と母親の信仰にあったことは間違いなようです。同時にパウロとの出合いがテモテ信仰の出合いとなったことは間違いないようです。
 第二回伝道旅行の途中、小アジヤのルステラでテモテと会ったパウロは、彼を伝道チームに参加させます。その後テモテはパウロとともに働き、パウロが出発した後の若い教会を牧会する働きもしました。幾つかのパウロ書簡では、パウロの共同執筆者として名が挙げられています(㈼コリント1章1節参照)。伝説ではエペソ教会の監督になったが殉教したといいます。

二、テモテに対する母親の影響(㈼テモテ1章1−5節)
 テモテの信仰に大きな影響を与えたのは、祖母ロイスとユニケという二人のユダヤ人女性でした。この二人の信仰深さ (ユダヤ人として唯一神信仰をもつことは当然として、明確なキリスト教信仰に至ったていたと考えられる) を考えると、ユニケが異邦人であるギリシャ人男性と結婚し、その結果として(ユダヤ人の子供であれば当然受けていたはずの) 割礼をテモテに受けさせないまま育ててしまったことは不思議に思えます『異邦人と結婚するような女性が果たして信仰深いのか』と。しかし、人生は公式どうりには進みません。様々な不思議さや弱さ、過ちや立ち直りがあります。ユニケの人生の航路に一時的な信仰の低迷期があったかどうであったか知ることはできません。しかし今、息子テモテを信仰深く育てた一人の母が存在しています。このことは間違いありません。

三、テモテに対する聖書の影響(㈼テモテ3章14ー17節)
 母ユニケがテモテを育てるにあたっての指針は、言うまでもなく聖書 (旧約聖書) でした。通常のユダヤ人の家庭同様、ユニケも幼い時からテモテを聖書に親しませました (申命記6章)。ユニケもまたパウロをはじめ先輩クリスチャンの説き明しにより、旧約で預言されているメシヤがイエスであられると知り、信じてからは、テモテに対してもそのように聖書を解き明かしたことでしょう。その結果、テモテは白紙の生涯を主イエスにささげることができる若者として育ったのです。

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