地の塩 世の光

 あなたがたの光を人々の前で輝かせ、人々があなたがたの良い行いを見て
天におられるあなたがたの父をあがめるようにしなさい。 (マタイ5章16節)

Even so let your light shine before men; that they may see your good works, and glorify your Father who is in heaven. (Matthew 5 : 16)

一、『地の塩』として(マタイ5章13節)
 主イエスはご自身に従う者たちに『あなたがたは、地の塩です』と言われます
 塩の役割の第一は、基本的な調味料としての味付けです。そのために適度の『塩け』を保つことが肝要です。この塩けを失った塩は、まったく無用の物であり外に捨てられて人々に踏みつけられてもしかたがありません。主イエスの弟子たる者は、神の国(恵みと愛の支配)を証しする者として地上に置かれています。キリスト者の調味料は、神の恵みと愛です。『地の塩』としてキリスト者は、十字架と復活の福音において示された神の恵みと愛を、ことばと行動において証しをするのです (コロサイ4章5、6節参照)。
 塩の役割の第二は、腐敗の防止です。世の堕落を示すだけではなく、深くしみ込んで堕落を防ぐ預言者的な働きをするそれが『地の塩』としてのキリスト者の大切な務めです。この世から離れるのではなく、むしろこの世に浸透していくのですが決してこの世と調子を合わせることをはしない。この世との異質性を保つことに『地の塩』としてのキリスト者の存在価値があるのです。
                        (ローマ12章2節参照)
二、『世の光』として(マタイ5章14、15節)
 またイエスは、『あなたがたは、世界の光です』と言われます。神の国を受け入れた者たちが『世界の光』と呼ばれるのは『地の塩』に勝る最高級の呼称です。主イエスご自身が『わたしは世の光です。わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、いのちの光を持つのです』(ヨハネ8章12節) と言われたからです。主イエスは、ご自身に従う者たちを、ご自身と同じ者と見て下さいます。彼らには、復活の主イエスから『いのちの光』が与えられています。それで彼らも『世の光』として、世の暗闇を照らす役割を果たすのです。

三、『あなたがたの光を人々の前で輝かせ』(マタイ5章16節)
 主イエスに従う者たちは主から与えられた『いのちの光』を世の人々に隠すのではなく、そのことばと行動、生活のすべてを通して『人々の前で輝かしなさい』と、強く勧められています。それは人々が、第一に『あなたがたの良い行いを見る』ためであり、第二に『天におられるあなたがたの父をあがめる』ためです。自分に注意や関心を集めるためではなく、自分を無にして、恵みと愛に満ちた父なる神があがめられるためにする。
 それがキリスト者の善行です。マザー・テレサが示してくれた言動は、その最も素晴らしい例でしょう。

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