バンクーバー便り(2011/4)

バンクーバー便り ‘11.4月もう4月も終わりとなりました。 今日本は大地震で本当に大変ですね。私どもが教会を持っているテンス教会(十番街教会)で震災のための献金を募ったところ、4万7千ドルが一回の献金で集 まりました。カナダの人々も震災を心配していることがよくわかります。そして今では地震津波と同時に原発事故のほうに関心が寄っているようです。原発事故 は何とか早く解決していただきたいものです。原発事故がこのように人間では制御できなくなるということ、これこそ原発の最大の問題ですね!やっぱり人間が 制御できないものをそもそも製作することが間違っているのではないか。これが解決されない限り今後の原発運営持続は中止すべきではないか。放射能被害をも たらす核燃料棒をそのまま安全にどうして取り出せないのか、素人の私でもこれは大きな問題であることがわかります。先日、空港で通訳のボランティ アをしている人が私のところに相談してきました。日本の女性が3人の子どもを連れて、リフジー(亡命)の申請を空港事務官に申し出て、その取り扱いに大変 苦労しているということでした。日本からの人物にはリフジー移民のカテゴリーは適用されないのです。その女性は自分の子どもが放射能の障害を受け将来が心 配でならない、だからカナダに亡命したいと申し出たのであります。彼女らは原発地域でなく東京近郊に住んでいたのであります。私はそれは原発被害に神経過 敏ではないかと思うのですが、その女性にとっては心配でならないのです。空港事務所で一日がかりで、係官と押し問答したようですが、何とカナダ政府は寛容 なことでしょう!その哀れな家族に住むところ(シェルター)を用意し、食事も、そして子ども3人の学校入学許可も与え、当面の生活費も支給するということ になったのであります。彼女が正式な亡命者になれるかどうかは今後の手続きを待たねばなりませんが、哀れな家族はひとまず(五年間?とのことですが)バン クーバーの地で生活が許されることになったのであります。そんなに放射能のことは心配なのでしょうか?私はこんなことで日本人社会の何人かに尋ねましたと ころビックリするようなことを聞きました。今日本から多くの子ども連れの若いお母さん方がバンクーバーに移り住んでいるということです。共通することは自 分たち大人は大丈夫だが、子どもの将来が心配でならない、それで安全なカナダへ移住した、ということです。確かにバンクーバーには原発はありません、水が 豊富なので電力はほとんどが水力発電でまかない、余剰電力をアメリカに輸出しているほどです。水の豊富さは今もなおバンクーバーの水道は無料で使い放題で す。各家庭に水道の料金メーターがありません。確かに今となって、大震災の日本と比較して、カナダは際立って天然資源が豊かだな—、と感ずる次第でありま す。カナダの寛容さをもって、いっそのこと日本からの民族移動を一切引き受け、BC州の北部の開拓を日本人に委ねたらどうか、電気水道などのインフラは 整っているのですから、勤勉な日本人が来たらどんどん開発されることでしょう。こんな案を、こちらの新聞(バンクーバー新報)の編集長さんに話したとこ ろ、大賛成を受けたのであります。        バンクーバー村松勝三   2011年4月29日

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