申命記

申 命 記:

1、表 題:

A、Deuteromy<申命記>=第2の律法

B、”告げたことば”……ヘブル語原点(1:1)。

C、”第2の律法……70人訳の書名。

D、追想の書巻。

2、著 者:

 モーセによって書かれた。(1:1、31:9、22、24−27)

3、年代、

A、約2ヶ月に渡っている(1:3、34:5、8、ヨシュア4:19)。そして、全放浪期の回顧も含まれている。

B、BC1400年頃に書かれた。

4、鍵 語:

A、Do,Keep,0bserve(ヘブル語の2語)しよう、しようとする、すべき、してくださる、

すべき、する、しなければならない、守る、守り行う………………………………164 

B、Hear (d,ken)聞く、聞き従う……………………………………………………………69

C、Love(s) 心 ………………………………………………………………………………49

D、Love(d,th) 愛する…………………………………………………………………………2

E、Remember(ancr)  覚える、忘れない、思い出す、思い起こす、据える、

  記憶(する)………………………………………………………………………………16

5、鍵 節:

 10:12、13、

6、目 的:

A、神がイスラエルと行った契約に対し、彼らが忠実でなければならないことを思い起こさせるため。

B、イスラエルが約束の地に入り征服し、所有するための備えを与えるため。

7、メッセージ:

A、神への愛こそは律法に従うための正しい動機である。

B、神は神の子達が命令に聞きまた従うことを要求される。

C、従う者達は祝福され、不従順な者たちはのろわれる。

8、アウトライン:

Ⅰ、アブラハムの契約に対する拒絶…………1−4章(歴史的)

Ⅱ、モーセの契約の再確認……………………4−26章(律法的)

   (1)道徳の律法……………4−11章

   (2)儀式の律法…………12−16章

   (3) 民法…………………17−26章

Ⅲ、パレスチナの契約の要求……………………27−34章(預言的)

9、まとめ:

 申命記は、過去を顧みるしたから、将来に目を向けているのである。それはイスラエルのアブラハム、モーセそしてパレスチナ契約との関係を含んでいる。エジプトから出て来た新世代の人々は、アブラハムの契約で約束された土地を拒絶し、荒野で死んだ。今や荒野から出て来た新世代の人々は、その土地に入ろうとしているが、モーセの契約とパレスチナ契約の中で獲得し、維持するために条件が与えられている。

(注)サタンに対して、キリストがこの書巻を用いられていることを考慮に入れ見ること。

               (マタイ4:1−11、申命記6:13、16、8:3、10:20)。

   キリストは旧約聖書のどの書巻よりも多く申命記を引用された。

10、キリストの現れ:

 キリストは真実の預言者

 (申命記18:15−19、使徒3−22)また私たちの岩(申命記32:4、18、31、1コリント10:4)として表されている。

申 命 記    1
1 性格  
A 鍵語 柔順と回顧
 B 鍵句   
 申命記10章12節『その神エホバを恐れ、その一切の道を歩み、これを愛し心を尽くし精神を尽くして汝の神エホバに仕えよ』

C  大要 本書はモーセの五書中最後の書である。 英語で Deut 第二の律法の意味である。 語源はギリシャ語に基づく。言い換えると、律法の反復。
@  
何故律法は反復されたか。エジプトを出た民族は荒野で不信仰の罪を犯し 自ら神の怒りを招きヨシュアとカレブの二人を除く全てが荒野放浪中死亡した
(民数記)。そして第一の律法を知らぬ荒野で生まれた新しい民族に律法を  知らす必要があって、繰り返し反復したのが本書である。

2 著者  モーセ    
著作場所=モアブの地にて、死海東部
時 期= エジプト出発後40年11月1日
目 的=律法に無知な人々に知らすため。

3 他の文書との関係申命記の中には特別な問題、事実はない。

A、従 順 
出エジプトの十戒、レビ、民、の律法の反芻である。そして (律法的) 律法を素直に受け入れること。従順は律法の主要点。

 B 回 顧  
出エジプト、民数記の歴史の反復など歴史的にその関連は(歴史的) 必然的である。

4、分 割 
A、モーセの決別の辞
(1) 回顧 民族のシナイ山からヨルダンまでの歴史 1章1ー4章43節
  a  カデシバルネヤに於ける失敗 (カナン入国を拒否した)1章
  b 民族の荒野流浪 2章、3章
  c 回顧による律法履行の助言  (序言的戒め 4章1節ー40節
  d のがれの町 4章41節ー43節

(2) モーセの十戎、総論的律法の反復 4章44節?26章
(3) 民族への警句(ユダヤ人に関する予言) 27章ー28章
(4) 神と民族との契約 29章?30章
(5) 民族への勧告 31章1節?23節
(6) 訓論(さとし)31章24節?29節
(7) 民族の賛歌 31章30節?32章
(8) 民族への祝福 33章

B   モーセの永眠      
  120才  34章7節『目も霞まず気力も衰えなかった』
 
5 著名人物 モーセ

6 使 命
A イスラエル民族は回顧を余儀なく強いられたが、それはカナン入国の準備として荒野の苦い経験を再びカナンの地で味わせないための神の配慮によるものである。また、従順を強いられたことも同じ理由である。

イスラエル民族は、神の子等、又は選びの民であるから。7章6節、14章12節
『汝らは萬の民農地で最も小さい者なればなり』
単に彼らが神に愛せられていたからである。7章7、8節
神は民族をして神の産業(仕事)として限りなく用い給う。6章23節、4章1節
*産業=所領地の意味がある。所領地を分与される。
神は民族が苦悩の故に神に叫んだ。4章7節
 
B歴史的な事実を持って試みられた。理由はカナン入国の準備。その試みの方法、手段。
飢えをもって。人がパンのみでなく、神の言葉をもって生きることを知らすため8章2、3節
偽り者の徴 (しるし) 奇跡を行うことを許した。それをもってエホバの誠なることをしらせ民の愛をはかるためであった。13章1ー3節
大いなる業をなした、エホバ以外神なきことを 知らす目的があった。4章32ー40節 30章10ー12節
C 完全な服従は神の祝福を受ける唯一の道である。 4章29ー31節 6章3、17、18節 7章9節、5章10節
D Cに対して神に不従順な者への神の取り扱いは厳しい。7章10節 11章26ー28節  5章9節

7 特別な聖句
A 申命記における重要な聖句は多くキリストによって成就、又は引用された。キリスト自身への影響は大きい。
1、『人はパンのみにて生きる者にあらず、人はエホバの口より出る言葉によりて生きる者なり』8章3節 マタイ4章4節

2,、『汝の神エホバを試むるなかれ』6章16節『主なる汝の神を試むべからず』マタイ4章7節3


3,『汝の神エホバを恐れ之に仕え』10章20節『主なる汝の神を拝しただ之にのみ仕え奉るべし』マタイ4章7節

4,『汝心をつくし精神をつくし力をつくして汝の神エホバを愛すべし』 6章5節
『汝心をつくし精神をつくし思いをつくし力をつくして主なる汝の神を愛すべし』マルコ12章30節

B 今日という語=42回 新約の『見よ、今は恵の時、今は救いの日なり』ヘブル3章15節 ?コリント6章2節 

8 申命記における重要な思想と主張
A 神観 神の性質、如何なる神か
1、唯一なる神(エホバはすなわち神にしてその他には有る事なし)4章35、39節   6章4節

2、ねたみの神(汝の神エホバは焼きつくす火、ねたみの神なり)4章24節  5章9節6章15節  9章3節 

3、真実なる神(汝の神エホバは神にましまし真実の神なり)7章9節  ロマ3章4節  ?コリント1章18節 

4、力ある神(汝の神エホバ、能力ある恐るべき神)7章21節 10章17節 

B 偶像崇拝の絶対禁止
これから入国するカナンの地は偶像教の支配している土地であった。そしてイスラエルの民が偶像崇拝に絶対陥らないようモーセはしばしば警告しており、偶像崇拝することは
破滅への道であった。

C カナンにおけるエルサレム神殿礼拝
荒野において民は皆幕屋において神を礼拝した。しかしカナン入国後は聖都エルサレムでの礼拝が要求されたのである。

D 神 愛 と 人 愛
 これは民が心をつくし神を愛しそれと等しく人をも愛するということである。

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