列王紀Ⅱ:
1、表題:
A、列王紀第Ⅳ卷=70人訳聖書の書名。
B、王政崩壊の書巻。
C、分散の書巻。
2、著者
伝承(タルムード)によるとエレミヤと言われている。
3、年代:
A、ユダの王ヨシャパテとイスラエルの王アハズから、アッシリヤとバビロニヤ捕囚までの300年間に渡っている。
B、多分B.C 600年から580年の間に書かれた。
4、鍵 語:
A、King(“s) 王(の、達)………………………382
B、House 家………………………………………134
C、Prophpher(s) 預言者(達)………………… 33
鍵 句:
A、”man of God” 神の人……………………36
B、”the Word of the Lord” 主のことば………16
C、”did that which was eviI ih the sight of the Lord”
”彼は主の前に悪を行った”…………………………20
D、”did that which was right ih the sight of the Lord”
”彼は主の目にかなうことを行った”………………6
5、鍵 節:
17:13、14、
6、目 的:
イスラエルの年代記(北王国)とユダ王国の、それぞれの捕囚に至る同時代の歴史を与える為。(イスラエル……アッシリヤ捕囚、ユダ………バビロニヤ捕囚)
7、メッセージ:
A、主の預言者による主の言を拒むことと、偶像礼拝と背信に陥いることは、拒絶と捕囚の結果をもたらす。
(列王紀Ⅱ17:13−23)。
B、人間は自分自身をうまく統治することができない。
8、アウトライン:
Ⅰ、イスラエルの年代記(北王国)………………1−10章
イスラエルの10代目の王、エフーの死で終わる。
Ⅱ、イスラエルとユダの年代記(交互)……………11−17節
イスラエルとアッシリヤに捕囚されて終わる。
Ⅲ、ユダの年代記(南王国)………………………18−25節
ユダがバビロニヤに補修されて終わる。
9、まとめ:
ヘブル語の聖書では、列王記Ⅰ、Ⅱは、一巻の書である。この1卷の書をみると、次に続くように、イスラエルの歴史を網羅している。それはダビデ王の王位の第一番目の継承者ソロモン王で始まり、それから神殿が建てられた。そして、ダビデ王のの王位の最後の継承者セデキヤ王が殺害され、神殿が破壊されたところで閉じられている。この書は私達をエルサレムのダビデ王の死からバビロンのネブカデネザル王の死まで案内してくれる。列王記Ⅱ自体が列王記Ⅰの残したところから出発し、そして、イスラエル王国アッシリヤへの捕囚と、100年以上も後のユダ王国のバビロンへの捕囚に到るまでの、イスラエルとユダの二王国の記録を継続して記している。
10、キリストの現れ:
キリストは、義なる王、神の人、そして、人格化した主の言葉(列王記Ⅱ3:12、1:4として表されている。
1、性格 A 鍵語=主のことばのとおり
B 鍵句=1章17節
”王はエリヤが告げた主のことばのとうりに死んだ。そしてヨラムが代わって王となった。
それはユダの王ヨシャパテの子ヨラムの第二年であった。アハズヤには男の子がなかった
からである。
C、大要
列王記 ? はアハブ王(イスラエル)の死後から虜囚までの300年間に渡るイスラエルとユダの
変遷を歴史的に記録したものである。
前半は主として、神の人エリヤ、エリシャの働き(ミニストリー)を記し、後半は、サマリヤの滅
亡とイスラエルの虜囚。後半はエルサレムの滅亡とユダの虜囚に至るまでの王、以下民族の背教に
起因した堕落、滅亡の道を叙述している。
2、著者 列王記1と等しい。
3、他の文書との関係
列王記1の後を受けて王国の歴史を完成させている。性質的な流れは列王記1と同質である。
本書をもってイスラエル、ユダ両国の歴史は終結を告げている。
4、分割
A、エリヤの晩年の聖職 1章〜2章
1、エリヤ最期的な活躍 1章
2、エリヤの昇天とその弟子エリシャ 2章
B、エリシャの聖職 3章〜
1、イスラエル王ヨラムのモアブ攻撃 3章
2、予言者エリシャの活動(死んだ子を生き返らす) 4章
3、エリシャとシリヤの将軍ナアマン(癩病の癒し) 5章
4、エリシャ対シリヤの戦争 6章〜7章
5、エリシャとハエザル(スリヤの王となる) 8章1〜15節
6、ユダ王ヨラムとユダ王アハジア 8章16〜29節
7、エヒウの革命 9章
8、エヒウの治政 10章
9、アハジアの母アタリヤとその死 11章
10、ユダ王ヨアシ 12章
11、イスラエル王ヨアハズとヨアシ 13章1〜13節
12、予言者エリシャの死 13章14〜21節
13、スリヤのハザエルの死 13章22〜23節
C 北朝イスラエルの滅亡 14章〜17章
1、ユダ王アマジャとイスラエル王ヤラベアム二世 14章
2、ユダ王アマジャとイスラエル王ザカリヤ、シャルム、
メナヘム、ペカヒヤ、ペカ及びユダの王ヨタム 15章
3、ユダ王アハズとスリヤ、イスラエル連合軍の侵入と
アッスリヤ軍の活動 16章
4、イスラエル王ホゼアとイスラエル王国の滅亡(アッスリヤによる) 17章
D 南朝ユダの滅亡
1、ユダ王ヒゼキヤとアッシリヤ軍の侵入 18章
2、予言者イザヤの活動 19章
3、ヒゼキヤの病いとバビロン王メロダクパラダン 20章
4、マナセ王とアモン王の治政 21章
5、ヨシア王と律法の書の発見 22章
6、ヨシヤ王律法の書による国内改革断行 23章1〜25節
7、ヨシヤ王の死とエホアハズ王とエホヤキム王 23章26〜37節
8、バビロン王ネブカデネザルの侵入及び第1回虜囚 24章
9、ゼデキヤ王とエルサレム陥落、ユダ王国の滅亡 25章1〜21節
10、総督ゲダリヤと虜囚地におけるエホヤキム王 25章22〜30節
5、登場人物 イスラエルとユダの諸王。
歴代のイスラエル王
ヤラベアム 933〜911 22年間 悪王
ナダブ 911〜910 2年間 悪王
バアシヤ 910 〜887 24年間 悪王
エラ 887〜886 2年間 悪王
ジムリ 886 7日間 悪王
オムリ 886〜875 12年間 極悪
アハブ 875〜854 22年間 最悪
アハジャ 855〜854 2年間 悪王
ヨラム 854〜843 12年間 多悪
エヒウ 843〜816 28年間 多悪
エホアハズ 820〜804 17年間 悪王
ヨアシ 806〜790 16年間 悪王
ヤラベアム二世 790〜749 41年間 悪王
ゼカリヤ 748 6ヶ月 悪王
シャルム 748 1ヶ月 悪王
メナへム 748〜738 10年間 悪王
ペカヒヤ 738〜736 2年間 悪王
ペカ 748〜730 20年間 悪王
ホセア 730〜721 9年間 悪王
歴代のユダ王
レハべアム 933〜916 17年間 多悪
アビヤ 915〜913 3年間 多悪
アサ 912〜872 41年間 善王
ヨシャパテ 874〜850 25年間 善王
ヨラム 850〜843 8年間 悪王
アハジャ 843 1年間 悪王
アタリヤ 843〜837 6年間 悪魔的
ヨアシ 843〜803 40年間 多善
アマジャ 803〜775 29年間 多善
ウジヤ 787〜735 52年間 善
ヨタム 749〜743 16年間 善
アハズ 741〜726 16年間 邪悪
ヒゼキヤ 726〜697 29年間 最善
マナセ 697〜642 55年間 最悪
アモン 641〜640 2年間 最悪
ヨシア 639〜608 31年間 最善
エホアハズ 608 3月 悪
エホヤキム 608〜597 11年間 邪悪
エホヤキン 597 3月 悪王
セデキヤ 597〜586 11年間 悪王
6 使 命
イスラエル民族の滅亡は、神の御経倫の中にあるが、それは神の予定のみ心ではなかった。民族の滅亡は、あくまで民族の責任である。