列王記1

列王記Ⅰ:

1、表 題:

A、列王記第Ⅲ巻=70人訳聖書の書名。

B、王制の書巻

C、分裂の書巻

2、著者:

  伝承(タルムード)によるとエレミヤとされ、多分ナタンとガドの記録を参考にした模様。

                               (歴代誌Ⅰ 29:29)。

3、年代:

A、ダビデの死からヨシャパテの死までの約120年間にわたっている。

B、多分B,C,600年から580年の間に書かれた。

4、鍵 語:

A、King(“s,s) 王(の、達)……………………310

B、House 家………………………………………173

C、Peophet(s) 預言者(達)……………………50

 鍵 句

A、”the Word of the Lord”  主のことば…………………………33

B、”as his father Davd” 彼の父ダビデにように……………………9

C、”the sirns(or way)of Jerodoam” ヤロブアムの罪 (道)…………8

5、鍵 節:

 22:10、19、

6、目 的:

A、統一王国の設立と栄華の歴史を与えるため。

B、2つの家系、2つの王国、2つの王朝に分裂し、彼らが衰退して行く歴史を提供するため。

7、メッセージ:

A、神の王座は、地上のすべての王位にまさるものである。

B、王達は天の王座との関連に応じて、また彼らが預言者の務めを通して主の言葉にいかに応えたかで成功

  もし失敗もした。

8、アウトライン:

1、王座の統一 ………………………………1−11章  一つの国家、一人の王、

  (1) 王国の設立…………1−2章

  (2) 王国の栄華…………3−11章

Ⅱ、王国の分裂…………………………………12−22章   2つの国家、二人の王。

   (1)王国の分裂…………………12章

   (2)王国の衰微…………………13ー22章

9、まとめ:

 列王記Ⅰは、ソロモンの栄華の支配、彼の死後における王国の分裂、そして北王国(イスラエル)におけるアハブ王の支配まで及び、南王国(ユダ)におけるヨシャパテ王の支配までの分裂王国の歴史を記している。

 イスラエルとユダの王全員は、”二人の基準の人、つまり敬虔なダビデ王と不敬虔なヤロブアム王のどちらかの下に並んでいる。

10、キリストの現れ:

 キリストは平和と栄光の王、神の知恵(コリント11:30)神の宮の建設者(エペソ2:20−22)ソロモンよりまさる者”(マタイ12:42)。肉体となった言(ヨハネ1:14)である神の預言者として表されている。彼の王座は全ての王座にまさり、彼こそ王の王、そしてて主の主である。(黙示19:16)

列王記 1 
1 性格 A 鍵語  その父ダビデのごとく
     B 鍵句  9章4〜9節
    ”あなたが、あなたの父ダビデが歩んだように、全き心と正しさをもって、わたしの前に歩み、
    わたしがあなたに命じたことをすべてそのまま実行し、わたしのおきてと定めとを守るならば”

C 大要
    先のサムエル記1がサウル王国樹立、? がダビデの王国建設であったが、列王記1は、ソロモンの
    王位継承より南北分裂時代までである。列王記 ? は分裂時代より王国滅亡まで。
    その特徴は次の三点にある。

  1、記述の方法等について題名の如く王とその治世に重点を置き、分裂時代では、南北の王を比較照
    させて出来事を記述する方法をとっている。

  2、各王の統治と神に対する態度に鋭い批判を降し、神殿取扱いとエホバ礼拝の忠誠遺憾によって
    王の善悪が定められている。

   3、歴史的記述の不平均。歴史的に重要な事柄でも詳細に述べてあるのと、無いのとがある。
      これは著者の判断によって左右されたのであろう。列王記1、? は神殿中心によって左右されている
    といってもよい。
 
2 著者
   不明。伝説的に、エレミヤではないかと言われている。著者は多くの資料の本から列王記上、下を
   書いたものらしく、次の三つの書名が挙げられている。
    ユダの王の年代記(列王記上15章7節) イスラエルの王の歴代誌(15章31節) 
   ソロモンの行為の書(11章41節)
    尚、著者は予言者であったと一般的に推測される。

3 他の文書との関係
   本書は元来、上下一巻のものであったがギリシャ語に訳された時、分割されたものです。
   サムエルと歴史的に関連している。

4 分割 
   列王記1 王国の黄金期、全盛時代 一章ー10章
  A 王国の安定            一章ー2章

  1、ダビデの老後と哀れむべき姿               1章1〜4節
  2、息子アドニヤの謀反                   1章5〜9節
  3、予言者ナタンと妻バテシバの計略             1章10〜31節
  4、ソロモン、任職の脂注がれて王となる           1章32〜53節
  5、ダビデ、ソロモンに対して最後の訓戒を与えて他界する。   2章1〜11節
  6、ソロモンの王位継承                   2章12〜16節
  7、ソロモンの国内粛清                   2章13〜46節

 B 王国の栄誉と栄光       3章〜10章  
 
  1、ソロモンの礼拝                      3章1〜4節
  2、ソロモンの夢に顕現のエホバと知恵の付与          3章5〜3章15節
  3、知恵あるソロモンの名裁判                 3章16〜3章46節
  4、ソロモンの懸命な執政と統治                4章1〜4章28節
  5、天下に聞こえたソロモンの叡智               4章29〜4章34節
  6、ソロモンの神殿と宮殿の建築                5章〜〜8章
  7、ソロモンに再現の神と約束の言葉              9章1〜9節
  8、後のソロモンの内治外交政策                9章10〜28節
  9、シバの女王の来訪と回答                  10章1〜13節
  10、ソロモンが手にした莫大な富               10章14〜29節

 
 聖書概論 その2
 
  2 王国の衰退時代                  11章〜22章

 A    王国の南北分裂                  11章1〜12章24節
    1、ソロモンの背教と死                     11章
  2、レハベアベアムの即位と悪政                  12章1〜15節 
  3、王国は南、北の2派に分裂しヤラベヤム、イスラエル十支族の王位に就く
                                  12章16〜24節 
 B 王国の自滅
 1、ヤラベヤム(イスラエル王)の背教と死            12章25〜14章20節
 2、レハべアム(ユダ王)の背教と死               14章21〜14章30節
 3、度重なるユダ王等の背教                   15章1 〜 24節
 4、度重なるイスラエル王等の背教                15章25〜16章34節
 5、イスラエル王アハブと予言者エリヤ              17章1〜22章53節

  aエリヤとザレパテのやもめ                   17章
  bカルメル山上 エリヤとバアルの予言者との対決         18章
  cエリヤに対するアハブの妻イゼベルの迫害とエリシャの召命    19章
  d アハブ王、シリヤ王ゲネハナデに勝利を得る           20章
  e アハブ王、ナボテのブドウ畑を略奪する             21章
  fアハブ王とヨシャパテ王               

*登場人物
  ソロモン 彼は非常に知恵に満ち、神殿を建築するなど多くの働きをなした。しかし、彼は晩年
         神に背きイスラエル王国滅亡の原因を作った。
   エリヤ  大予言者でエホバの預言者がほとんど殺された後も、彼はエホバのため、バアルの預言
        者たちと戦った。列王記上19章10節。彼は弟子エリシャの目の前で火の車の如き物に
        物に乗り天に上げられた。
  アハブ   彼は悪王中の悪王であり、その妻イゼベルも熱心なバアル偶像教徒であった。

6、使 命 
     a 報酬と復讐。信ずる者、従う者には良き報いを与え、信ぜぬ者、従わぬ物には復讐を与え
        られる。人物の取り捨て選択、と関連あり。
      b    国の栄古盛衰は王にかかっている。 
       1、神 第一主義が先決問題である。
       2、王がその民を如何に愛しているか。レハべアムをみよ。
       3、王の良識と実際生活の清さは国の基準である。
7、教訓
      最大で神に忠実であったダビデさえ罪を(姦淫と殺人)を犯した。その後のダビデは哀れである。
      しかし神は彼を辱めなかった。しかし、その汚点はいつまでも消えなかった。彼の晩年は残光
      の生活であった。丁度、太陽が西へ沈んだ後しばらく明るい光が残っているそれであった。

      ダビデは良い子供を持たなかった。という事は良いしつけ立派な生活をしなかったという事に
      原因がある。列王記上1章6節によるとダビデはその子に対してはほとんど盲目的な愛であっ
      て、厳しい態度をとっていなかった。箴言13章24節”『ムチを控える者はその子を憎む者
      である。子を愛する者はつとめてこれを懲らしめる』とある。箴言23章13、14節参照。
      
      ソロモンはきたるべき平和の君、イエス・キリストの予表である。
      ソロモンは王国の繁栄をはかった。国の繁栄は戦争の勝利ではなく国民生活の平和にある。

      繁栄の王として、ソロモンは優れた資性を持っていた。これが王国の繁栄の一番大きな原因で
      あった。しかし彼も偶像崇拝の罪に歩み王国崩壊の原因を作った。

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