ルツ記

ルツ記:

1、表 題

A、Ruth<ルツ>=友、きれいな、美しい。

B、恵の書巻。

2、著 者:

 不明であるが一般にサムエルとされている。

3、年 代:

A、”さばきつかさが治めていた頃”(1:1)の約11年間にわたっている。

B、多分 BC1030年から970年の間に書かれたと思われる。

4、鍵 語:

A、Kinman(’s,men) 買い戻しの権利のある親類、買い戻す者

  親戚、親類の役目………………………………………………………14

B、Redeem(ing) 買い戻す………………………………………………… 9

C、Grace, Favour 親切にする、ご好意…………………………………… 3

D、Rest 落ち着く、落ち着く所、平和な暮らしができる……………… 3

5、鍵 節:

  3:13

6、目 的:

A、さばきづかさの時代の中で恵の、明確な絵を引き出すため。

B、ダビデの家系を確立するため。

C、異邦人の招きを象徴するため。

7、メッセージ: 

A、買い戻しの権利のある親類が恵によって、失われた相続地を買い戻し、安息に中に受け戻す。

B、純粋な愛は全ての困難に打ち勝つ。

8、アウトライン:   

Ⅰ、安息を捨てる…………………………………………… 1:1−5

Ⅱ、安息を願望する…………………………………………1:6−22

Ⅲ、安息を探し求める………………………………………2−3章

Ⅳ、安息を獲得する……………………………………………4章

9、まとめ:

 聖書の中で2つの書巻に女性の名前が付けられている。ルツとエステル。ルツはユダヤ人と結婚した異邦の女性で、エステルは異邦人と結婚したユダヤ人女性である。ルツ記は聖書の中で一人の女性の生涯に、その全てを費やしている唯一の書巻である。第1章の中にその背景が設けられている。エリメレク、ナオミと彼らの二人の息子は飢饉のためユダのベツレヘムを離れて、モアブ人(ロトの偶像礼拝の子孫)の地に行った。二人の息子達はモアブの女性たちオルパとルツと結婚した10年後に父親と息子達は死に、ナオミはベツレヘムに帰国することを決心した。オルパは後に残ったが、ルツは母親と共に行った。2章においてエリコのラハブの子(マタイ1:5)ボアズが紹介されている。彼はナオミとルツの親類であったので、彼の畑で落穂を拾うルツに目をかけ、親切にあつかった。3、4章でボアズがエリメレクとその息子達の相続地を買い、ルツと結婚することによって買い戻しの権利ある親類の役目を果たしているのを見る。この書巻はダビデの先祖に、ルツとボアズがいることを明確にした系図をもって結ばれている。これは神が異邦人の血を用いて、全ての国民の救い主を生み出すために選民の中に、選びの家族を形成することを表している。ルツはまた、教会の美しい姿を私たちに提供している。すなわち異邦人であり、約束の契約については他国人であったが、買い戻しの権利ある親類の恵みによって、イスラエルの国民に受け入れられた者(エペソ2:11−13))である。

10、キリストの現れ:

 キリストは、有力者(2:1)収穫の主(2:4−17)そして、私達を恵みによって主との結合に導き入れる、買い戻しの権利のある親類として表されている。

ルツ記
1 性格 

A、鍵語   贖いによる安息

B、鍵句 3章1節= 『ここに姑ナオミは彼に言いけるは女子よ  
 我汝の安身所を求めて汝に幸いならしむべきにあらずや』4章10節

 C、大要、本書は士師記時代における一つの美しい出来事である。1章1節=

『士師の世をおさむる時』この時は士師のない無政府の  混乱時代におけるのどかな麗しき神聖な物語である。
  砂漠におけるオアシス、泥田のハスの様な美しさを見る。

2、著者 A、不明。誰の著であるか不明である。
   士師記を書いたサムエルではないかといわれている。
   これは歴史書の間に挟まれているが、歴史書というより文学である。
   詩歌ではないが歴史的色彩を帯びた散文詩である。

3、他の文書との関係
   士師の在世当時のものであるから士師記と密接な関係にある。
   士師記の付録のようなものである。
   霊的に解釈すればキリスト (ボアズ) と教会(ルツ)の結婚という点で
   新約のエペソ書と関係付けられる。
4,分割
 A,安息の放棄 1章1ー5節=信仰の失敗と堕落。
   飢饉の為 エリメレクは華族と共にユダの地ベツレヘムを去り
   モアブの地に寄留した。1章1節
   エリメレクの死後、妻ナオミは息子に異邦人の妻を娶った。4節
   ナオミ一家を襲った度重なる禍に二人の息子も死んだ。  5節

   B、祈願 1章6—22節
   神の福音を(食物を民に給う)を聞いたナオミはユダへの出立を決意
   した。 6、7節
   ナオミ一家の帰途一人の嫁オルパはその民とモアブ帰った。8—18節
   ナオミとルツを迎えたベツレヘムは騒ぎ立ち、ナオミは自分のことを
   ナオミ(楽し)と呼ばずマラ(苦し)と呼ぶように言った。 19—22節

 C、安息の要求 2章—3章
   畑におけるボアズとの対面    2章1ー16節
   ルツの落穂拾いにおける働き   2章17—23節
   律法に定められた権利、贖いの要求と行使。 3章
   
 D、安息の獲得   4章、
   贖い人が、エリメレクの地ルツを贖う事を拒み長老の前での権利をボ 
   アズに譲る。         4章1ー12節
   ボアズ自ら贖い、ルツを妻に娶る。   13節
   ルツ男子を生みナオミは慰めと幸を受ける.14—17節
   アブラハム、イサク、ヤコブ………ダビデの系図に加えられたルツ。
    18—22節
5、主要人物 ナオミ(エリメレクの妻)
       ルツ (忠実な嫁)
       オルパ
       ボアヅ(後ルツの夫となりルツを贖った)

6、使命
 A、贖いの安息が本書の主題であったがそこから考えると
 1、新約における罪人は異邦人である。その罪人の血による贖い。
  (これは異邦人のルツがユダの人ボアズによって贖われたことから考えられる)
 2、信者と協会の聖霊のバプタイズによる神人一体。
  (ルツとボアズの結婚は信者と教会の一体となることを示している)
 3、真の安息を得ることに主眼をおいている。ヘブル4章1ー11節
  (安息に入ること、それは御霊の内住による)

 B、花嫁なるキリストの御教会の花婿なるイエスに対する性格 態度などの  
   必要なこと、重要なことを教えている。
    ルツを通してその良い面を見ている。即ち、キリストに対する服従の 
   態度である。 ?コリント 11章1—3節(キリストへの態度)
   ?コリント11章1−16節 エペソ5章22、23節(完全に従うこと)
価値、
   一般的に聖書における恋愛物のごとく、単なる文学としてみなされる   
  傾向が強い。それは聖書は神の御言葉であるという根本原理を忘れた誤 
  りである。
   
   確かに詩的であるという点、文学的事実を認めないわけにはい
   かない。しかしそれは全てではない。
 
   しかし事実を通して模型と象徴が限りなく現れている。
    
    エペソ書の御教会とキリストの結婚。5章32節
   『この奥義は大いなり、我が言う所はキリストと教会を指せるなり』

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