ヨブ記

ヨブ記:

1、表 題 

A、Job <ヨブ>=迫害された者、洞穴から泣く者、語る者、また叫ぶ者、悲しむ者、神に語る者。

B、苦難の神秘さの書巻。

C、苦難を通して祝福を得る書巻、

2、著 者:

 多分ヨブ自身が書いたと思われる(19:23、24)。彼は、これらの事件が起きて後140年間いき永らえたのであるから。(42:16)しかし、ある人々は著者の可能性としてモーセかエリヤを提示している。

3、年 代:

A、多分数週間、あるいは数か月に渡るものと思われる。

B、多分族長時代に書かれたものと思われる。この書巻は聖書の中で最初に書かれた書巻と多くの人に考え

 られている。

4、鍵 語:

A、悪者、悪人、不真実な者、苦しむ者、よこしまな者、不法者、

  不正を行う者、不正を行なう者、罪ある者、悪、………………48

B、正しい、正義、まっすぐな、真実…………………………………32

C、なぜ、…………………………………………………………………16

D、苦しめる、悩み………………………………………………………11

鍵句:

A、”答えて言った”…………………………………… 27

5、鍵 節:

 1:9(サタン)、 2:3(神)、 13:15(ヨブ)、 42:5

6、目 的:

A、敬虔深い人の苦難の原因や目的と神の愛と正義とがどのように調和する事ができるかを取り扱うため。

B、苦難における神の忍耐の例証としてヨブを示すため(ヤコブ5:11)。

7、メッセージ

A、義人の苦難の原因や目的は、しばし苦しんでいるその者にとって秘密とされる。

B、神は人の弱点や取り扱いを必要とする分野を示すため、また性質を見せるために苦難を用いられる。

C、神は主権者であり、サタンは神が許すことだけしかする事ができない。

8、アウトライン:

Ⅰ、序幕……………………………………………………1−2章

  (1)地上の場面(1:1−5、13:22、2:7−13)

  (2)天上の場面(1:6−12、2:1−6)

Ⅱ、対話劇……………………………………………………3−41節

  (1)3人組の三つの論議……………4−37章

  (2)神の最終的な仲裁………………38−41章

Ⅲ、終幕…………………………………………………42章

  

9、まとめ:

 敬虔深いヨブは、彼の財産と家族、そして自分の健康を失う苦難にあった。彼は自分が、神とサタンの衝突の的であることを知らずに、彼の苦難にくじかれてしまった。三人の友人エリファズ、ビルダデ、ツォファルは、彼の苦しみは、ヨブの個人的な罪に対して、神から受けた罰であることを認めさせることで彼を”慰めた”。この状態に対し、部分的な洞察を得たエリフは、ヨブの苦難を、彼を潔めるために送られたこらしめであると説明した。ついにに神はヨブと他の者達を正しい場に置くために語られた。第1にヨブの苦しみはヨブ自身がサタンに対立することを証明するために試みられたが、全くの欠点なしにこの試練を通過できなかったので、その試練は彼を潔めることに役立った。終わりにヨブは彼らが以前に持ち合わせていた物の2倍のもので祝福を受けた。

(注)ヨブ記には、豊富なメシヤの預言がある(9:32、33、19:25−27)。

(注)多くのカウンセリングの原則が、この書から収集できる。

10、キリストの現れ:

 キリストは、それが神の意図であるが、サタンにより負わせられた苦しみを忍んでおられる祭司として、表されている。

ヨブ記

1、性格  A、鍵語  試 練

      B、鍵句  1章21節

  ”主は与え、主は取られる。主の御名はほむべきかな。

 


C、大 要

 ヨブ記は詩篇的な文体ではない。ヨブ記の特質は歴史的事実を根底として作られた哲学的文学である。

ヨブ記は旧約中最も難解とされている他に比類のない書物である。ヨブ記を単に難解な書物として見過ごさず、正しい理解を持って読めば非常に興味ある書物となる。

 

2、著者

 著者は古来モーセであると伝説されているが、ヨブが主役である所から、ヨブであるとも言われている。

 モーセは(ミデアンの地で羊飼いをしていた頃)尚、アブラハム以後は民族的な神として顕現されているが、ヨブ記の神は、それ以前の宇宙的な感覚を見る。

 


*ヨブについて。

アブラハムの頃の人でカナンの東ウズの地の人である。

非常な豪族であり、その頃、他に比類のない正しい人であった。亦、アブラハムの召命以前、或いはカナン入国以前の物語ではないかと言われている。

 


3、他の文書との関係

 エゼキエル書には、ノア、ダニエルと共にヨブを正しき者の典型として引用している。

 


4、分 割

 A、ヨブの紹介(ヨブの実在と史実性の裏書)1章1−5節

1、ヨブの道徳生活の潔癖         1章1節

2、物質的生活の繁栄           1章2−4節

3、宗教的生活の徹底           1章5節

 


 B、サタンの訴えと禍の襲来    1章6〜2章10節

1、サタンの狡猾と虚偽          1章6節

2、サタンの悪業             1章7節

3、神のヨブに対する弁論と称賛      1章8節

4、サタンの訴え             1章9−11節

5、神の許託とサタンの授受        1章12節

6、災禍の急襲とその連続         1章13ー19節

7、ヨブの無罪              1章20ー22節

8、神のヨブに対する称賛と再びサタンに禍を下すことの許諾 2章1ー10節

 


 C、ヨブの忍耐の果て    2章11〜3章

1、友人の来訪と彼らの悲しみ       2章11−13節

2、自身の受生に対するヨブの呪い     3章1−26節

 


 D、苦悩の奥義に関するヨブと友らの哲学的議論 4章〜37章

1、テマン人エリパズの論旨

     禍いは罪の結果にして苦悩は悔い改めにより解消する。4章〜5章

2、友人に対するヨブの失望とその切望        6章〜7章

 


3、シュヒ人ビルダデの論旨 

   苦悩は悪の存在の確証にして悔い改めによる解消を勧告 8章

4、ヨブの無罪主張と彼の反論        9章〜10章

 


5、ナアマ人ゾバルの論旨            11章

   ヨブは傲慢な独善家でありながら刑罰は実際より軽い。

 


6、友の中傷に対するヨブの皮肉な反論  12章〜14章

   悪しき人は栄え正しき人の苦悩を主張して自己を弁論する。

 


 

 7、エリパズの二度目の非難と友らの激怒     15章

 8、ヨブの悔しまぎれの反論と譴責        16章〜17章

 9、ビルダデの激怒と威嚇による悔い改めの促し  18章

10、ヨブの自己に対する呪いと彼の未来に対する信仰 19章

11、ゾバルはヨブの悪しきを主張し運命を説く    20章

12、悪しき者の現在に於ける繁栄の可能をうかがう  21章

13、エリパズはヨブの悪しきを主張、彼の貧者に対する取り扱いの残酷さを非難する。22章

14、ヨブは自己正義を主張して悪しき人を非難する。 23章=24章

15、ビルダデは義人無きことを主張する     25章

16、ヨブは確信を持って自己の無罪を主張し詳細に弁明する。26章〜31章

17、三人の共の沈黙とエリフの登場      32章〜37章

   エリフの論旨

  ヨブの苦難は罪の結果であるとして神はヨブに不義を糺して試験的に教育していると主張。

 

E 神は大風の中からヨブに質問を度重ねて彼を沈黙せしむ。神が言われた事は微弱な人間の知恵を持って  

  は全宇宙の問題を到底理解し得るものではない。

   特に宇宙の起源、不思議な現象の如きはそれである。 38章〜41章

 


F ヨブの再興と神の御計画   42章

 1、ヨブは神との人格的交わりによって問題を全く理解され、自ら罪を悔い改める。42章1−6節

 2、友らに対する厳格な要求            42章7ー9節

 3、ヨブは祈祷を嘉納され先に倍して報われる。   42章10−17節

 


5、使 命

  ヨブ記の使命、亦、問題点は、正義と愛の神によって創られた、この世界に何故、苦痛と邪悪が存在す

  るのか?その探究と解明にある。

  試 練=

   これは神が人間に与える懲罰ではない。言い換えると人間に益を得させる神の手段である。

  生かす為の神の方法である。試練は苦悩を通して全くへりくだらせる。ヘブル12章56節

  苦 難

   ヨブは苦悩の中を通って友として神を見出した。この体験によってヨブは一切の苦悩をぬぐわれ

   平安を得る事が出来た。

 


6、教 訓

   教訓として人間は苦難に直面して始めて自己の無力を知り、神を見上げる様になる。又苦悩の時

  その原因を追求して自省し遂に悔い改める。試練によって人格的に向上するとも考えられる。

























































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