サムエル記1

サムエル記Ⅰ:

1、表 題

A、SamuerI<サムエル>=神にお願いした。

B、列王記Ⅰ巻……70人訳聖書の書名。

(注)70人訳においてサムエル記Ⅰ、Ⅱは列王記Ⅰ、Ⅱであり、列王記1、Ⅱは列王記Ⅲ、列王記Ⅳである。

C、王制の書巻。

D、変遷期の書巻。

2、著 者:

 多分サムエルによって書かれ、ナタンとガドによって完成された(10:25歴代誌Ⅰ29:29 )。

3、年 代:

A、サムエルの誕生からサウロの死までの、約115年間にわたっている。

B、多分 BC1060年から900年の間に書かれた。

4、鍵 語:

A、 Saui(’s) サウロ(の ) …………………………296

B、David(“s) ダビデ(の)……………………………291

C、Samuei サムエル……………………………………131

D、King(“s)  王(の)………………………………… 88

E、Priest(s) 祭司(達)………………………………… 33

F、Prophet(s’sy)預言(者、達)………………………… 24

G、Anoint(ed) 油をそそぐ……………………………… 19

H、Pray(ed.jng) 祈る………………………………………9

I、Rejected 退けた………………………………………8

5、鍵 節:

12:23

6、目 的:

A、イスラエル王国の統一を確立するため。

B、ダビデの上にユダの杖(王権)を確立する事により、メシヤに至る敬虔深い血筋を保つため。

C、私達に善と悪の性格の例を与えるため。(例:エリ、サムエル、サウロ、ダビデ)

7、メッセージ:

A、不従順は油注がれた者に拒絶をもたらす。(エリは祭司であり。サウロは油そそがれた王であったが不従順のため

拒絶されてしまった。

B、神の人は祈りの人であり、人の必要のためにいつもとりなして祈る者である。

8、アウトライン:

Ⅰ、サムエル……神政政治から王制政治へ……………………1−7章

Ⅱ、サウル………えらびから拒絶へ……………………………8−15章

Ⅲ、ダビデ………油注ぎから屈辱へ……………………………16−31章

9、まとめ:

 この書巻は単純に、3人の主な人物(サムエル、サウル、ダビデ)の関連した3つの部分に分かれている。これは伝記の書巻である。サムエルはこの時期のイスラエルの歴史で、最も重要な人物である。彼は祭司であり、最後のさばきずかさであり、最初の預言者で第1代の王を油注ぐ者となる。

10、キリストの現れ:

キリストー”ダビデの子”は新約の礼拝順序を設定した”ダビデよりまさった者”として表されている。

 ダビデの契約は最終的な世界の政治的 (王)、宗教的 (祭司)な支配者としての救い主(メシヤ)の契約である。


サムエル前書
1,性格 
A 鍵語 祈祷
B 鍵句 1章10節『ハンナ心に苦しみ、エホバにいのりて甚くなき』


C 大要 本書は士師時代末期、無政府、無秩序時代における堕落祭司エリに始まって、


祈りによって与えられた預言者サムエルの   
民族指導、精神的統御の王政機構を布いた。
本書はその王国の建てられた過程の記録である。
2,本書の著者
A、サムエルが著者であると言われる。
B、実際はサムエルが書いたとは言い切れない。
C、サムエルの名を取っているが、彼が書いたのではなく、彼が本書で果たした役割から取ったのであろう。
D、本書の成立について彼はなんの関与もしなかったわけではなく前半をサムエルが書き、後の部分をガド、


ナタンの二人によって記され、それを後代の人が現在の形に編纂されてできあがったものと推測される。

3 他の文書との関係。
ヘブル原典によると前、後と区別されてなく一冊にまとめられている。
ギリシャ訳から、たぶん便宜上分割される様になった。

士師時代の後を受けて士師の終結と王政の始まりの書である。
故に士師記と関連がある。

4,分 割
A、エホバの預言者、サムエルにおいて1章?7章
a、サムエルの誕生
1、ハンナの祈りは神の解答としてサムエルが与えられた。1章
2、ハンナの賛美と予言的祈り。2章1ー2章11節

b、サムエルの召命
1、祭司エリの子らの悪しき業 2章17—2章26節
2,神の人エリに向かっておごそかな警告 2章27—2章36節
3、神はみずからを、サムエルに顕現なす 3章

C、サムエルの聖職
1、契約の箱、奪われ堕落、祭司エリ及びその子らの末路。4章
2,ぺりして人の中に7ヶ月、当留した契約の箱の活躍。5章
3、契約の箱の奪還、6章1ー7章1節
4、悔い改めと祈りによるイスラエルの大勝利。7章12—17節

 B、イスラエル初代の王サウル 8章—15章
a   選ばれたサウル 
1、民は神を捨て、王を与えよとサムエルに要求する。8章
2、サウル王に選ばる。9章
3、サムエル、王としてサウルに油注ぐ。10章 
b、サウル王の国家統治。
1、サウルの初陣大成果を上ぐ。11章
2、サムエルの民族への決別の辞。12章


c神、サウルを王位より捨てる。         
1、サウルの即位と独善。13章1ー14節 
2、サウル指揮下の民族大勝利 13章15ー14章
3、サウルの不従順と呪い。15章

C、サウルに代わってダビデの選び 16章1ー31章
  a ダビデの選ばれてサムエルより膏注がれる。16章1ー16章13節

  b ダビデの犠牲的奉仕
1、楽器を奏してサウルを慰むる。
2、ゴリアテとの一騎打ち。17章
3、サウルの子、ヨナタン、ダビデとの愛の契約を結ぶ。18章1ー7節
4、サウル、ダビデを嫉妬し殺意を抱き企む。18章8—20章

c、ダビデ、サウルによって追放される。        
1,ダビデの逃亡とさすらいの旅。21章—30章
2、サウルとヨナタンの最後 31章

5、主要人物
1、ハンナ エルカナの妻 (1章2節) 子供がなかったのでエホバに願い子供を与えても らった。その子供が素晴らしい預言者サムエルとなった。


2、エリ  
彼は祭司であったが決して神に忠実ではなかった。その頃は神の黙示もまれ であったことがそれを證明している。(3章1節) 後、彼は悲惨な死をとげた。〈4章18節)









3、サムエル イスラエル最後の士師であり預言者である(前1045年頃)彼はその生涯中、イスラエル王国の建国という重要な仕事を果たし、サウロを王にしたが、神より彼が離れたのでダビデに油を注いだ。サムエルの考えは『それ従うことは犠牲に勝り聴くことは牡羊の脂にまさるなり』15章22節という絶対服従強調であった。

4、サウル  

イスラエル王国の初代王(B.C1020ー1004年在位〉ベニヤミンの出身キシの子。背が高く、美しい容貌であった。サムエルによって王とされたが 神の命に完全に従わなかったため神に捨てられた。後、悪鬼これを悩まし精神錯乱して凶暴になり、ついにペリシテ人とギルボア山で敗れその子ヨナタン他に二人の子を失い絶望の中に自刃して果てた。(31章1ー5節)
 
5、ヨナタン 
サウル王の子。彼は非常に優れた武勇、情熱を持てる人であって、父サウ   ルの誤りを度々いさめている。彼は常にダビデをかばい、その友情は尊いものであった。

6、ダビデ  
サムエル前書における彼は、エッサイの子で羊飼いをしているところを、サムエルに見出され膏を注がれて、サウル王に仕え、巨人ゴリアテを殺すなど目覚しい働きのため、サウルの嫉妬を買い、ついに追放されたが彼は神により密かに膏注がれた者として勢力をつちかっていた。

6、使命
  祈祷『正しき人の祈りは働きて大いなる力あり』(ヤコブ5章14節)
  信者の生活における祈りの不可欠の重要性とそれの占める位置の高さと範囲を教えて
  我らの祈りを覚醒せしめている。もう一方真実な祈りがなければ、仕える御用配下に   
  尊くとも虚しく終わる。即ち神からの幸を受けない。

  神からの取捨選択『汝ら割れを選びしにあらず、我汝らを選べり』ヨハネ15章16節
  神の選びに重要なポイントがある。サムエルがエリに代わって立てられた。サウル王   
  の代わりにダビデが立てられた。これらの中に神が人を選ばれる過程と捨てられる過   
  程が(時期、事情、誰を、目的、方法、等)に神の綿密な計画を見る。

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