サムエル記Ⅱ:
1、表 題
A、SamuerI<サムエル>=神にお願いした。
B、列王記Ⅱ巻……70人訳聖書の署名。
C、王制の書巻
D、王の書巻。
2、著 者:
多分ナタンとガドによって書かれた(歴代誌Ⅰ 29:29 )。
3、年 代:
A、ダビデの即位から彼の死の直前までの、約40年にわたっている。
B、多分 BC970年から900年の間に書かれた。
4、鍵 語:
A、KIug(“s dom) 王(の )、王国、王位………………290
B、David(“s) ダビデ(の)……………………………286
鍵 句
A、”before the Lord” 主の前に(で)…………………10
B、”enquired of the Lord” 主に伺う、主のみこころに伺おうと
…………………4
5、鍵 節
5:12
6、目的:
A、ダビデの契約、子孫、王座、そして王国を設立するため(サムエル記Ⅱ7章、詩篇89篇)。
B、ダビデの勝利と試練の双方を含む彼の支配を記録するため。
7、メッセージ:
A、忍耐と神への信頼は、主の約束の成就のために必要である。(それはダビデが王になる準備の間における屈辱から
<サムエル記Ⅰ>、昇進まで<サムエル記Ⅱ>の事によって示されている。)
B、従順は、神の契約に関連する者達に祝福をもたらす(ダビデの治世の最初の20年間に表されている。)
C、ある時には罪が許されても、また、罰せられていることがある。(ダビデの治世の後の20年間に現されている。)
8、アウトライン:
Ⅰ、ダビデの勝利……20年間の祝福…………………………1−10章
(1)ダビデ:ユダの王(7年間)…………1−4章
(2)ダビデ:全イスラエルの王(33年間)……5−10章
Ⅱ、ダビデの試練………20年間の裁き……………………11−24章
(1)ダビデの堕落、免罪と罰………………11ー21章
(2)幕が下りる………………………………22−24章
9、まとめ:
この書簡は、基本的に油注がれた政治的、宗教的王として示されているダビデの伝記である。ダビデは、”神のみ心にかなう人”(サムエル記Ⅰ13:14)であり、こうして彼は、ダビデの幕屋を設け、詩篇(サムエル記Ⅱ23:1−2)にある礼拝の順序を設定しtのである。
彼は契約に従い、常に”主の前に伺った”。しかしながらこの書巻はダビデの没落とその悲劇的な結果を記す、唯一の書巻でもある。
10、キリストの現れ:
キリストー”ダビデの子”は新約の礼拝順序を設定した”ダビデよりまさった者”として表されている。
ダビデの契約は最終的な世界の政治的 (王)、宗教的 (祭司)な支配者としての救い主(メシヤ)の契約である。
サムエル後書
1,性格 A 鍵語、エホバの前に
B 鍵句、5章12節
『ダビデ、エホバのかたく己をたててイスラエルの王となし給えるを悟り
またエホバの其の民イスラエルのために其国を興し給いしを悟れり』
C、大 要
後書はダビデが王国を建設しカナン全土の平定と統合を完成した民族史を物語った
歴史書である。このダビデはサウロの死後、イスラエルを指導し王国建設の完成という大業を成し遂げ た民族史上最大の一人の人物である。本書は主人公ダビデの記録で人間としての強さ、弱さ、短所、長所、神に服従の美点、背く汚点、将卒として智略、決断、父としての情愛と執着、それらを詳細に述べた人物伝である。
ダビデの治政年間は40年間である。BC1010?970年
始めにユダの王 7年6ヶ月務めた。2章11節
2,著 者
本書はサムエルと無関係である。名称の由来は前書と引き続いているからである。
著者は預言者ナタンとガドの二人 歴代上29章29節、歴代下9章29節
3、他の文書との関係
前書に引き続き歴史的に同時代を形成している。
しかし本書ではその同時代の最後は完成していない。
4、分 割
A、勝利者ダビデ サムエル後書1章?10章
a、ユダの王ダビデ 1章1ー4章
1,ダビデ、サウルの死を嘆く。1章1ー27節
2、ダビデ、膏注がれユダの王となる。2章1ー11節
3、サウルの子イシポセテ、ダビデに反抗する。2章8―32節
4、イシボセテと将軍アブネルの死 3章―4章
b、イスラエル12支族の王ダビデ
1、ダビデ全支族の王となる。5章1ー11節
2、ペリシテ人を撃破する。5章17―25節
3、ダビデ契約の箱をエルサレムに持ち帰る。6章2―23節
4、エホバの祝福を受けたダビデ。7章
5、ダビデ、周囲の諸民族を平定する。8章
6,ダビデ、ヨナタンの子メピポセテを優遇す。9章
7,アンモン軍とシリヤ軍を撃破する。10章
B、敗北者 ダビデ サムエル後書11章?24章
a、ダビデの堕落 11章ー20章
1,ダビデの姦淫と殺人 11章1ー20章
2、ダビデ自身の認罪 12章1ー13節
3、ダビデの犯罪に対する神の厳罰 12章14―20節
愛児の死 12章15―20節
ダビデの子アンモンの姦淫 13章1ー22節
父ダビデに対するアブサロムの謀叛 13章23―20章
b、補 遺 21章?24章
1、神に対するダビデの質問 21章
2、ダビデの感謝の歌 22章
3、ダビデの最後のことば 23章1ー7節
4、ダビデ旗下の勇士たち 23章8―39節
5、ダビデ王国の人口調査 24章
5、主要人物
1,ナタン
彼は預言者でダビデに仕え、ダビデが姦淫を犯したときも厳しく忠告した。
彼がダビデやソロモンの歴史を書いたと言われている。(歴代上29章29節)
2、バテシバ
ダビデの将ウリヤの妻であったが美人のためダビデに召された。このためダビ
デは姦淫と殺人の2重の大罪を犯した。後、ソロモンを生み勢力を振るった。
3、アブサロム
ダビデの第三王子であったが妹,タマルのことで異母兄アムノンを殺し、ダビデ
に反逆した。戦いの末、戦死した。しかし、ダビデはこの子を愛していたのでいたく
悲しんだ
4、ヨアブ
彼は軍に強く、ダビデに仕えて働いたが、ダビデの子アブサロムを殺し、アブネ
ルとアマサの二人の大将をも殺した。このためソロモンに殺された。(列王上2章
29―34節
6、使 命
神の約束の不変性。ダビデの即位は予言の成就で神の約束は必至の事実である事
受ける人間は進行と忍耐を持って待つべきである。
『汝ら神の御意を行いて約束のものを受けんために必要なるのは忍耐なり』(べブル
10章36節
人間の問題性。
人間とは如何にという疑問に対し、ダビデを通して教えている。ダビデは最も人間
らしい人間であり、人間としての良い面も悪い面も備えている。
7、教 訓
神の意志の絶対的尊重。
1章に於いてダビデはその敵サウロの死を嘆き悲しみ、その報をもたらしたアマレク
人を殺した。ダビデはここに神の膏注がれた者を殺したことを責めたのである。神の祝
福を受けた者をあくまで尊重したのである。