エズラ記:
1、表 題:
A、Ezra<エズラ>=助ける、助力者。
B、残りの者の書巻。
C、回復(レストレイション)の書巻。
2、著 者:
エズラによって書かれた。エズラ記とネヘミヤ記は紀元前3世紀までは1巻であった。
多分エズラとネヘミヤが協力して書き上げたものであると考えられる。
3、年 代:
A、クロス王の布告からエルサレムにエズラが到着した直後までの、約80年の期間にわたっている。
B、多分B,C,440年から400年の間に書かれたと考えられる。
4、鍵 語:
A、JersaIem エルサレム……………………………………………………48
B、Law(8) 律法、c ommandment (2) 命令、word (1)ことば………………11
鍵 句:
A、”go up” “went up” 上る、上がって来た、着いた、行った、上って行く、
引き揚げて来た……………………………………………………………11
鍵 節:
2:1、 6:14、
6、目 的:
A、ゼルバベルとエズラのもとに残りの者達が、バビロンの捕囚から帰り、神殿を再建し、エルサレムを
回復したことを表すため。
B、バビロン陥落と、エルサレムにユダ王国が復帰することの関する、エレミヤとイザヤをとおして語られ
た主の言葉の成就を表すため。(エレミヤ書25:8−14、イザヤ書44:26−45:1、)。
7、メッセージ:
A、神は、その主権による目的のために、異国民を奮い立たせる(神の主権)。
B、神の目的は、人間の器を通して成就される(人間の責任)。
8、アウトライン:
Ⅰ、ゼルバベルのもとに第1回目の残りの者達(のグループ)が帰る………1章ー6章
Ⅱ、エズラのもとに第2回の残りの者達(のグループ)が帰る………………7章ー10章
9、まとめ:
エズラ記の中で私達は、ゼルバベルがユダヤ人の残りの者達約5万人を連れ戻すと同時に、神殿のために聖なる器のあるものを持ち帰ったことがわかる。それから、祭司の書記官であるエズラが神殿の聖なる器をもっと多く持ち、約2000人の第2回目のユダヤ人残りのものをつれもどし、宗教、社会、民事改革がそれに続くことを見いだす。
(注)祖国へユダ族の回復と神殿の復興は、預言の成就ばかりではなく、ダニエルの預言によってメシヤの
誕生まで、ユダヤ人を約束の地にとどめ置くために意図されたのである(ダニエル9:24−27)
10、キリストの現れ:
キリストは、私達の総督 (ゼルバベル)、祭司、書記官、そして宗教と社会と民事の秩序の復興者(エズラ)
として表されている。
エズラ記
1、性格
A 鍵語 神の御言葉
B 鍵句 一章一節 主の言葉を実現するために
C 大要
1、本書は破壊と捕囚によって国を失いしユダ民族の国家再建を記した書物である。
本書は歴代誌の最後からネヘミヤ記に通ずる一連の宗教史の一部分 (前半) である。約70年間
本書の重なる記事は民族の帰還と神殿復興を持って占められて著者エズラは宗教史亦信仰的見地
からユダヤ民族の動向をみた。
2、ユダ王国はBC・58612にバビロン王ネブカデネザルによって滅され民族はバビロンに連行
され50年後BC・536年にペルシャ王クロスはバビロニヤ帝国を滅し、かの地に滞在していた
ユダヤ民族を解放して帰国と神殿再建とを命じた。
この時、ゼルバベルは祭司ヨシュアと共に指導して第一次帰国した。人々は種々の危険を克服して
ついに神殿再建を完成した。民族の苦役が本書の前半にあり、後半はエズラ指導下による第二次帰
国とエルサレム復興と回復が記されている。
本書の中にはしばしば、感動したという語が多い。(例、一章一節)
2、著者 エズラ
エズラの家柄=歴代誌上34章14節 エズラ7章1節 7章5節
ヒルキヤは、ヨシア治世に律法の書を発見した人。故にエズラは祭司であったと言える。そして
予言者であり、学士でもあった。
エズラの意味は『助け』という義。
1、その名のごとく、イスラエル民族の国家の復興、再建に大きな助力を与えた。又彼自身が神のイ
スラエル民族に与えた助けであった。
2、捕囚期は民族にとって文学、精神、文化等の各分野に於いて進歩、増大の好機となった。
但し、その反面宗教的に於いて、バビロンが偶像国の故、神より離れ堕落した。純粋さが失われ
異教化した。
しかし彼らは、神に背いた罪又その報いによってその恐ろしさ神の力を知り、イスラエル民族は
捕囚後、唯一神教にこり固まった。
3、この時期に登場して活躍したエズラの役割は素晴らしい。特に宗教面に於ける民族への御言の教育
は聖書に記す通りである。7章10節
彼の任務はモーセの律法に従い説き明かす学士であった。7章6、10、11、12節
著作年代
BC536年ペルシャ王クロスが解放命令の時より、BC431年イスラエル改革までの大体1世紀
の期間の事が入れてある。
初期はエズラであり、後期は他の人ネヘミヤではないかと思われる。
3、他の文書との関係
原典ではエズラ書とネヘミヤ記とは一緒になっていた。区分されたのはラテン語訳からである。
エズラ書と歴代志の共通の言葉がある(歴代志の共通の言葉がある(歴代下36章22、23、
エズラ1章1ー3)これによって同一人の書いたものではないかと考えられる。ネヘミヤ記とは内容、
時代は変わりないが本書はより信仰的である。
又エズラ書は、タイプでいうなら新約のエペソ書と比類する。理由、本書は神殿の再建を述べエペ
ソ書は完成された御教会の建設を強調している。
本書中御言葉についての記述が多くこの点もエペソ書に類似する。
4、分 割
A、ゼルバベルの第一次帰国 一章 〜 六章
1、ペルシャ王クロスの開放令により神殿再建の命下す。 1章
2、バビロンより帰国のユダヤ民族の勢力と所有 2章
3、祭壇の築き上げと彼らの犠牲 3章1−3章7節
4、神殿再建の工事開始 3章8−3章13
5、サマリヤ人の妨害と訴えによる工事の中止 4章
6、予言者ハガイとゼカリヤの鼓舞激励による工事の再開と総督への上訴 5章
7、ユダヤ人を援助すべきダリヨス王の勅令と神殿再建完了。 6章
B、エズラの第二次帰国 7章〜10章
1、学士エズラ一行はペルシャ王アルタシャスタ王の命によってエルサレムに帰還
即ち、第二次帰国 7章
2、エズラと同行した人々の携え帰った財宝 8章
3、律法を犯したユダヤ在住のイスラエル人、異邦人との雑婚と
神の人エズラの驚き 9章
4、シカニヤの進言によるエズラの改革 10章
5、登場人物
ペルシャ王クロス、ヨシュア(祭司) ゼルバベル、 ペルシャ王アルタシャスタ
予言者ハガイ、ゼカリヤ、ペルシャ王ダリヨス、学士エズラ、シカニヤ
6、使 命
本書は主題の如く、神の言葉の強調力説に始まり終わっている。本書は御言葉の不変を教える。
マタイ24章35節=
この天地は滅び去ります。しかし、わたしのことばは滅びることがありません。
神の賜物と召しは、永遠に変わる事なし。
エズラが救国の為に断食、祈祷をして民のために取り成したことは、教役者がなすべきことである。
7、教 訓
クロス王が政令に感じた理由としてダニエルの影響が考えられる。(ダニエル1章21節)
ダニエル9章1〜15、10章1節 悔い改め、リバイバルである。
聖書中のエズラはリバイバリストの一人として多くのことを学び得る。