イザヤ書
1、表 題
A、エレミヤ=エホバの救い、あるいは、ヤーは助け主。
B、イザヤによる福音書”の書巻
C、救いの書巻。
2、著 者:
イスラエルの家に関する預言をしたが、主にユダの家に対して務めをなした贖いの預言者、イザヤによって書かれた。
3、年 代:
A、イザヤの務めは、ウジヤ王の治世の晩年に始まり、ヨタム、そしてアハズ王の治世中も継続され、ヒゼ
キヤ王の治世で終わる約50年間(B,C,740年ーB,C,690年)にわたっている。(イザヤ1:1)。
B、B,C,740年から690年の間に書かれた。
4、鍵 語:
A、義、義人、正義、正しい者、勝利の………………………………64
B、救われる、救い、救い主、…………………………………………55
C、さばく、さばき、さばきつかさ、公正、公義、正義、…………52
D、救う、救い出す、助け出す者………………………………………32
E、慰め(る)、優しく……………………………………………………18
鍵句:
A、(イスラエルの)聖なる方”………………………………………30
5、鍵 節:
12:6、 56:1、 61:1−3、
6、目 的:
A、ユダ王国は、敬虔のかたち”は残していたにもかかわらず、道徳的、宗教的、そして政治的に堕落していたことを示すため。
B、異邦人の国々がたどる運命を予告するため。
C、メシヤの生涯と、その務めを預言的な、パノラマ的絵巻として与えるため。
7、メッセージ:
A、イスラエルの聖なる方は裁きをとおして、。救いと正義と慰めとをもたらせられる。
B、メシヤをとおしてのみ、全世界の国々に救いはやってくる。
8、アウトライン:
Ⅰ、裁きの書巻…………(預言的)…………………………1−35章
(ユダ、イスラエル、異邦人の国々)
裁き(1−12章)宣告(13−27章 悲哀(28−35章)
Ⅱ、解放の書巻…………… 歴史的 ……………………………36章ー39章
(アッシリヤ、ユダ、ヒゼキヤ)
Ⅲ、慰めの書巻…………(メシヤ的)………………………………40ー66章
(エホバ、メシヤ、王国)
9、まとめ:
イザヤの預言は、ユダ、イスラエル、そして異邦人の運命に対する裁きに適用できるばかりか、メシヤと教会をとおして、全ての国々が祝福されることもあてはめられる。イザヤは、全預言書を合わせた中で、 〝エホバの救い”なるメシヤの生涯について、最も内容豊富に提供している。イザヤは、メシヤとその王国、そして異邦人の救いについて、他の全ての預言者よりも多く言及している。
(注)新約聖書の中では、他のどの預言書より多く、イザヤ書からの引用句が用いられている。
(60回以上)
10、キリストの現れ:
キリストは、メシヤの栄光の中に、イスラエルの聖者(マルコ1:24)、私達の救い(マタイ1:21)
私達の義(コリントⅠ、11:30)そして慰め(ヨハネ14:16、18)として表されている。全ての裁きは、彼に委ねられている(ヨハネ5:22)。
イザヤ書
Ⅰ、性格
A、鍵語 『救い』
B、鍵句 43:3
わたしはあなたの神、主である。イスラエルの聖者、あなたの救い主である。
C、大要
a、本書は66巻、聖書の巻数と同じ。聖書の性格、特質等を網羅している。
一章、神を離れて罪人〜創世記
40:3ーマタイ3:3、
44:3ー使徒2章
60:22ー黙示録21:1
b、本書は予言書中の筆頭にあって後に続く幾多の書物の内容を代表し予言書の中に予言書とされている。
c、聖書は神の救いを主題として、終始、神の人間の対する救済をもって満たされている。救いの書物。
その点本書は全聖書の縮少である。
イザヤ、ヘブル語(エホバ救い給う)救いの預言者、
2、本書の文体は、その内容とする所の予言によって悲壮と急迫的性格を及び読む人の心に切実な感じを与
える。
3、イザヤ書の予言はイスラエル民族の不信仰と堕落による神の審判と将来にかかわる神の警告
Ⅱ、著者 イザヤ
A、イザヤについて
Bc 760年頃生る。=父アモツはユダの王ヨアシの次男、生地=エルサレム
妻、8:3=女預言者、後妻
@イザヤが召命された次第 6章1節、ウジヤ王が死んだ年、BC740年
召命の動機
祈祷中異象を見、神の命をうけて立てられた。6:1〜
@彼の主な働き=南王国、ユダの預言者であった。彼は国家の危機に際して、神と民の間に重要な中保をした予言者であると同時に国家的指導者であった。
イザヤはユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤ、の諸王に仕えた。1:1
彼の最後について明白ではないが伝説によればヒゼキヤ王の以後も生存していた。
マナセ王の治政下にノコギリ引き刑にされた。(ヘブル11:37、)
Ⅲ、他書との関係
1、イザヤ書の36章〜39章まではイザヤの時代と彼の生涯について、
列王下18章〜20章までにそれと同等のことがある。
2、小聖書であることから全聖書と関係をもつ
3、予言的にはイザヤ書は四福音書、即ちキリスト自身と密接な関係にある。
1章〜39章=イザヤ、 40章〜他の人
Ⅳ、分 割
A、 1章〜35章 予言集 イザヤ自身
B、36章〜39章 歴史的序述
C、40章〜66章
A、民族に対する警告
1、ユダとエルサレムにかかわる予言 1:〜12章
2、ユダをめぐる国々にかかわる予言 13:〜23:
3、最後的な地球の放壌と世界審判 24:〜27:
4、エルサレムの危期と同盟軍への依存 28:〜31:
5、正義の王の君臨とその統治 32:〜35:
B、歴史的序述 イザヤの時代と彼の生涯について
1、ヒゼキヤの国を思うなやみ 36章
2、ヒゼキヤの苦祷と神の救いの解答 37:
3、ヒゼキヤの疫病と彼の祈祷による神の癒し 38:
4、ヒゼキヤの愚業と来るべき滅亡の予言 39:
C、民族に対する奨励
1、なぐさめの予言 40〜49章
2、来るべきメシヤの悩みの予言 50〜57:
3、来たるべき栄光の予言 58〜66:
Ⅴ、使 命
1、『我はエホバ、我の他、救うものなし』
2、神は己に属する民を愛して惜しまない。
預言者の現れーー危期に現れる=神は預言者を遣わして救わせる。
3、他の予言書に比べて文章が見やすく、語句が豊富に用いられていて、又詩調をおびている。
ⅵ、教 訓
神について根本教義的なこと。 聖書中の教義書