『私たちは自分自身を宣べ伝えるのではなく、主なるキリスト・イエスを宣べ伝えます』(第2コリント4章5節)
一、キプロスへ(使徒13章1ー12節)
アンテオケ教会は、バルナバやサウロ(パウロ)のもとで、預言者や教師が活躍するまでに成長して行きました。ある時聖霊が、バルナバとサウロを召された任務に就かせるように、つまり、宣教のために派遣するようにと、お命じになったので教会は、二人を送り出しました。第一回伝道旅行の始まりです。
二人は助手のヨハネ(マルコ)を伴って、キプロス島に渡りました。この島には多くのユダヤ人が生活しており、またバルナバの出身地でもありました(4章36節)。彼らは東端のサラミスに到着し、ユダヤ人の会堂で神のことばを伝えたあと、島を巡回して宣教を続けました。パポスでは、ユダヤ人魔術師のエルマ(バルイエス)に妨害されましたが、パウロは聖霊によってそれを退けました。そしてその様子を見ていた総督は主の教えに驚嘆し、信仰に導かれたのです。
二、ピシデヤのアンテオケ(13章13ー52節)
一行はキプロスを出てベルガに上陸、そこからピシデヤのアンテオケに進んで行きました。はっきりとした理由はわかりませんが、ベルガで助手のヨハネはエルサレムに戻っていきました。
パウロとバルナバは、キプロスでの伝道と同じように、まずユダヤ人の会堂で福音を語りました。神が約束された救い主をお送りになったこと、その方が十字架で死に、神がよみがえらせたこと、そしてイエスを信じる者には罪の赦しが約束されていることを語ったのです。大勢の人が主イエスを信じた一方で、ユダヤ人たちから激しい反対にあいました。そこでパウロたちは『自分たちはこれから、異邦人に福音を伝える』と宣言したのです。この出来事をきっかけに、異邦人伝道が本格的に始まりました。
三、小アジヤの町々(14章)
パウロたちはピシデヤのアンテオケから追い出されましたが、喜びと聖霊に満たされて(使徒 13章52節)イコにオム、ルステラへと福音を伝えて歩きました。
ルステラでは、パウロが足の不自由な人の信仰を見て彼の足を癒してあげると、人々は
パウロたちを神だといって騒いだり、アンテオケやイコニオムで反対したユダヤ人が執念深く追いかけてきて殺されかけたりと、多くの困難がありました。しかし彼らは、怯むことなく宣教の旅を続けたのです。そして帰路は、激しい反対を受けたにもかかわらず、先に訪れた町々に立ち寄って、生まれたばかりのクリスチャンたちを励まし、教会の指導者を選びました。
パウロたちの実りと困難に満ちた伝道旅行は、彼らの熱意と忍耐によったのは勿論ですが、何より彼らを派遣し導き続けた聖霊の御働きによるものでした。
* 主題=聖霊に遣わされて始めた伝道旅行。