獄中からの質問

 だれでも、わたしにつまずかないものは幸いです。(マタイ11章6節)
 
一、獄中のヨハネからの質問(マタイ11章2ー6節)
イエスが、12人の弟子たちを迎え、町々で教えたり福音を宣べ伝えたり教えたりなさっていた頃、ヨハネは獄中にいました。当時の国主ヘロデが、妻と離婚し、自分の兄の妻ヘロデヤを奪って自分の妻としたことを、神の前に正しいことではないと、ヨハネが堂々と避難したからでした。(マルコ6章17、18節参照 )。そのヨハネが、弟子をイエスのもとに送りました。イエスにお聞きしたいことがあったからです。3節を読みましょう。『おいでになるはずのお方』とは、救い主のことです。『イエス様、あなたは本当に旧約聖書に預言さている救い主なのですね』自分の使命に忠実に生きてきたヨハネでしたが、暗い獄中において正確な情報もなく、不安になり、気落ちし、心が萎えてしまったのでしょう。疑っていたわけではないけれども、イエスに確認したかったヨハネの気持ちも想像することができます。イエスは、ヨハネの弟子たちに答えて言われました。4ー6節を読んでください。イエスは、旧約の預言どおり (イザヤ35章5、6節、61章1節)、ご自身が病人をいやし、視認を生き返らせ、貧しい者に福音を伝えていること、つまりご自身こそ救い主であることをヨハネに伝えるよう弟子たちに託されました。私たちも、イエスを疑ってしまうときはないでしょうか。イエスが、自分にとってどのような存在なのかわからなくなってしまうことはないでしょうか。そんなとき、私たちも、祈りによってイエスご自身にその思いを伝えましょう。そして聖書をよく読んで、主イエスについてもっとよく学びましょう。そうするならば、主イエスは、必ず私たちの疑問に答え、確信を与えてくださいます。『イエスにつまずかない』秘訣はそこにあります。

二、ヨハネに対するイエスの評価(7−11節)
ヨハネの弟子たちが立ち去った後、イエスは群衆の方を再び振り返って、ヨハネについて語り始められられました。イエスは、ヨハネに対して、すばらしい賛辞のことばを送っておられます。『女から生まれた者の中で、バプテスマのヨハネよりすぐれた人は出なかった』と言われたのです。イエスは、ご自身に忠実な者の行い一つ一つを覚えていて下さり、それを喜び、そして正しく評価してくださいます。ヨハネは、人々からいろいろな誤解を受けました。ヨハネこそきたるべき救い主なのではないか、と必要以上に祭り上げられることもありました。逆に『悪霊につかれているのではないか』と陰口をたたかれることもありました。しかし、主イエスだけは、ヨハネの働きを正しくご覧になり、理解し、受け入れてくださっていたのです。私たちも、主の前に正しく生きようとするとき、主のために働くとき、周りの理解を得られなかったり、誤解を受けてしまうことがあるでしょう。しかし、どんな地味な働きも、主の前にはきちんと覚えられていること、主はそのことを評価していてくださることを忘れないでいましょう。

ヘロデ大王=イドマヤ人11人の妻の内10人はヘロデに殺された。

* 主イエスはヨハネを励まされた。

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