クート先生は生涯私の心から決して離れることはないでしょう。
聖書の福音を人に語っていてい つの間にか熱が入って来る時折、クート先生が生きておられて私の内からばあっと対照に向って表われたように感じる瞬間がある。その時、私ははっと眼の覚める思いがし次の瞬間嬉しくなって心の中でにっこりする。クート先生はいつでもどこでも、あらゆる角度から私達の中に時限と空間を超えて共にいらっしゃるのだ。半世紀以上も以前主がクート師を日本に仕わされたことをこの十一年間折にふれては考え続けてきた。
主は何と日本人を愛されたことかと、主の御前に主の御愛の故にくしゃくしゃになって泣きたいとさえ思う。結局人間にとって、結末に於て信仰しか残らないことを考えるとクート師から受けた教育は完全に近いものであったのではないかとキリスト教会のあらゆる経験を通して私はこう確信している。
クート先生は霊の世界を丸で肉の目で見えるように説明して下さった。ハレルヤ!
この感動は聖霊の賜物によって生涯持続けさせて頂けるであろう。聖書を高く上げさせて讃美させたクート先生、聴く者の心臓にどすっと大きな響きを与える説教をして下さったクート先生がめつい献金のすゝめ方(しかし私は好きだった)をなさったクート先生、威厳と謙虚と柔和を兼備しておられたクート先生!
学院で或る集会での説教中、クート師は人差指を会衆一同に向けて端から端までずーっと動かし私のところでその指をぐっと伸ばし「アナタノテキアナタダョ」と言った。その時、私は何も私一人に向っておっしゃらなくても・・・・・・と思ったのであったが、日が経つにつれて自分自身との闘い が如何に熾烈なものであるかを知り、これが非常に強力な感謝の想い出となった。
今度クート先生とお逢い出来る日、師はどんなお顔をしていらっしゃるだろう。
会社員 大東キリスト教会