『ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。ひとりの男の子が、私たちのために 与えられる』 (イザヤ9章6節)
For to us a child is born、to us a son is given. (Isaiah 9: 6 ) New International Version.
一、イザヤが預言した時代(イザヤ9章1−5節)
救い主誕生の約700年前、イスラエルは北王国イスラエルと南王国ユダに分裂してから長 い年月がたっていました。イザヤは南王国で活動していた預言者です。この時代、人々は神のことばを軽んじて、力ある人や国、また偶像にすがっていました。 神に選ばれた民が神の背くことが、あらゆる問題の始まりです。北王国ユダはアッシリヤによって滅ぼされ、南王国にも崩壊の危機が迫っていました。神はイザ ヤによってその状況を『苦難』『やみ』『暗やみ』『暗黒』(イザヤ8章19ー22節) と伝えています。しかしイザヤは、闇の中に歩んでいた人々が『大きな光』を見ると預言します。そしてその光は、人の努力によってではなく、神によってもた らされるものだというのです。(イザヤ7章9節)
二、救い主について(イザヤ9章6ー7節
イザヤが預言した『大きな光』は一人の男の赤ちゃんによってもたらされるのです。
イザヤは救い主の四つの特徴を、次のように伝えています。
(1)不思議な助言者 この方は、ご自分について他の誰かのアドバイスも必要としない、完璧な知恵と判断力を持っています。私たちにとっても不思議な (驚くほどの) 助言者であられます。
(2)力ある神 この方は神です。すべての力を帯びておられます。
(3)永遠の父 どんな権力者にも終りが来ます。しかし、神であるこの方には、時間的な限界がありません。永遠に、子供を見守る父親のように、私たちを守って下さるのです。
(4)平和の君 昔も今も、戦争がやむことがありませんでした。力に対抗して、より強い力を行使して実現したかのように見える平和も、一時的なものでした。しかし、この方は真の平和をもたらします。十字架によって……。
三、ミカの預言(ミカ5章2節)
イザヤとほぼ同じ時代に活動した預言者ミカは、救い主がどこにお生まれになるのかを預言しました。
ベツレヘム・エフラテはダビデ王の故郷です(㈵サムエル16章1節) つまり、この預言は、単に救い主がベツレヘムで生まれることだけでなく、ダビデ王の子孫としてお生まれになることを明らかにしているのです。
そ して、この預言のとおり救い主イエスはダビデの子孫として。両親の住むナザレから百キロ以上も南のベツレヘムでお生まれになったのです。イエスがお生まれ になった時、ヘロデ王は学者達に命じて救い主の誕生の場所を突き止めさせました。その時「救い主はベツレヘムでお生まれになる」と告げた学者達が引用した のが、このミカの預言の言葉でした。(マタイ2章6節参照)