愛は神から出ているのです。愛ある者はみな神から生まれ、神を知っています。 (?ヨハネ4章7節 b )
Everyone who loves has been born of God and knows God. 1 John 4 : 7
一、雷の子ヨハネ(ルカ9章51−55節)
ヨハネはガリラヤ出身で『愛の人』というキャッチフレーズから受ける女性的イメージとはたいへん異なった人物でした。同じガリラヤ出身のシモン・ペテロや熱心党のシモンにも共通して言えることですが、喧嘩っ早く、激しい気性だったのです。・
キリストがエルサレムに向かうため、サマリヤに入ろうとされた時、サマリヤ人は、キリストを歓迎しようとはしませんでしたヤコブとヨハネは腹を立て『主よ。私たちが天から火を呼び下して、彼らを焼き滅ぼしましょうか』と言いました。キリストは彼らをお叱りになりました。
このような事がしょっちゅうあったことは、主がヨハネに『ボアネルゲ』(雷の子)とあだ名をつけられたことから分かります。しかしキリストはこの欠点の多いヨハネをそのまま愛されました。そしてペテロ、ヤコブとともに三弟子に選ばれ、いつもそばに置かれたのです。
二、マリヤを引き取る(ヨハネ19章26、27節)
ヨハネは、常に主のそばにいました。ヤイロの娘のよみがえりの時も、山の上での変貌の時も、ゲッセマネの祈りも、主が法廷で裁かれている時もいつも主の近くにおり、それらを見ていました。
そして、主が十字架にかけられた時、他の弟子たちはどこかに隠れてしまったのに、12弟子の中では、このヨハネだけが十字架の下に立って主を見上げていました。主はそれをご覧になって、ご自身がこの世を去った後、母の世話をしてくれるようにとヨハネに託されました。ここに、キリストの、母に対する思いやりと、ヨハネに対する絶大な信頼を見ることができます。
キリストには、ヤコブ、ユダ、ヨセフその他、母の面倒を見てくれるような弟や妹たちがいたにもかかわらず、あえてヨハネにゆだねられたのです。ヨハネにとって、これ以上の光栄はなかったことでしょう。
三、愛の人(?ヨハネ4章7節)
『雷の子』と呼ばれたヨハネは、キリストの愛によって見事に変えられました。何よりも、十字架を目の当たりにした彼は、真の愛が何であったかを知ったのでしょう。やがてヨハネは、他の弟子たちが次々と殺されてゆく中で、ただ一人高齢になるまで生き続け、愛にあふれる手紙を残しました。それは心にあることを口が語る(マタイ12章34節)
と云われるように、主に愛される素晴らしさ、主を愛し人を愛することの素晴らしさに満ち満ちた彼の心から生まれた手紙なのです。
*愛の人ヨハネ 聖書箇所=ルカ9章51−55節 ヨハネ19章26、27節?ヨハネ4章7節
主題=主の愛にふれるとき、人は愛の人に変えられる。