『ここにはおられません。前から言っておられたように、よみがえられた
からです。(マタイ28章6節)
一、復活の告知を聞いていた者(マタイ27章57ー66節、28章11−15節)
イエスの死体が『岩を掘って造った』アリマタヤのヨセフの新しい墓に納め
られた翌日、祭司長とパリサイ人たちは、ピラトのところに集まって密議をこ
らしました。それは彼らが『自分は三日後によみがえる』と言われたイエスの
言葉を聞いていたからです。もちろん、聞いても、信じていたわけではありませ
ん。むしろ、そのイエスのことばを言質に弟子たちが死体を盗みに来ることを
恐れ、三日目まで墓の入り口に番兵をつけてほしい、とピラトに要望し、ピラト
が聞き入れて番兵を『墓の番をした』なんと、弟子たちよりも彼らのほうが、
イエスの復活の告知を気にかけていたのです。でも信じてはいな
かったので、ことが破れると『弟子たちがイエスの遺体を盗んだ』と言いふら
そうと企んだ。というお粗末が報じられています。
二、御使いによる復活の告知(28章1ー7節)
三日目の週の初めの日の明け方、イエスの墓に来たのは、マグダラのマリヤ
をはじめとする女たちでした(1節)。彼女たちが探し求めたのは、主イエスの
遺体です。そこに御使いが現れて『(イエスは) ここにはおられません。前から
言っておられたように、よみがえられたからです。』と告げます。『来て……
納めてあった場所を見てごらんなさい』と、空っぽになった墓の中を見せたの
です (6節)。それだけではありません。彼女たちは、男の弟子たちに『イエス
はまことによみがえられ、先にガリラヤへ行って、そこで彼らとお会いにな
る』と告げる大切な任務まで授けられたのです(7節)。
三、女たちに出会われた復活のイエス〔28章8−10節)
御使いの告知を受けた女たちは『大喜びで、急いで墓を離れ、弟子たちに知
らせに走って行った』(8節)。すると、驚くべきことが起こりました。復活の
イエスが彼女たちに近づいて『おはよう』(直訳・喜びなさい)と挨拶されたの
です。復活のイエスがこの女たちに最初に現れてくださったのです。彼女たち
の感激と喜びは、いかばかりであったでしょう。イエスはまことによみがえら
れた!『彼女たちは近寄って御足を抱いてイエスを拝んだ』(9節)。そして、復
活のイエスから直接、先に御使いが彼女たちに授けた任務を改めて授けられた
のです。