何をするにも、ひとにではなく、主に対してするように、心からしなさい。
(コロサイ3章23節)
ルツは導かれてボアズと結婚し、その家系からダビデ王、そしてキリストが生まれます。(ルツ記4章18−22節、マタイ1章5節)。ナオミはルツのことを思い、ボアズは思慮深くふるまって、神の摂理を着実にしていきました。
一、主が祝福される(ルツ記3章1−11節)
ナオミはルツのために祈り、彼女が幸セになることを願っていました。ルツも、信仰を教えてくれた姑ナオミを大切にし、仕え、支えていました。信仰によっていたわり合い
、助け合って暮らすことができる家族は本当にうるわしいものです。
ナオミは、ルツがボアズと結婚して幸せになることをねがっていました。それで、ボアズが『買い戻しの権利」を持っていることを思い起こしてくれるように配慮しました。ナオミはルツに、晴れ着を着てボアズのところへ出かけていくよう勧めました。ルツはナオミを信頼していたので、言われるとおりにしました。7、8節を読みましょう。『おおい』は『衣のすそ』のことで、衣のすそをかけることは結婚を意味していたのです。ボアズは最初驚きましたが、日頃、ルツの信仰と真面目な生き方を見て知っていたので、ルツのために『私に出来ることは何でもしてあげよう』と言いました。
二、主が導かれる(ルツ3章12−4章11節)
しかし、エリメレク、ボアズよりももっと近い親戚がいたのです。信仰の厚い誠実なボアズは、正しい手続きによって『買い戻しの権利』を得ようとしました。自分の考えや感情によって人生の大切な決断をしたり、実行をしたりせずに、神に喜ばれる方法と順序に従って実践すること切です。3章12、13節を読みましょう。ボアズは自分よりももっと近い『買い戻し』の権利のある近親者が親類の役目を果たすかどうかを確認したうえで、もしその人が役目を引き受けなければ、自分が 買い戻すと約束して、ルツを安心させました。ボアズの誠実さがよく分かります。神の戒めを重んじ、神に喜ばれることを第一にしています。兎角、結婚という問題は、自分の感情や要求が選考して、神に喜ばれない結果を招いてしまうことがありますが、ボアズの理性的な態度に倣うべきです。
城壁の門のところで、ボアズは自分よりも近い『買い戻し』の権利のある親類に会いました。門の前はかなりの広場になっていて、市場や情報交換の場所であり、時にはそこで裁判が行われることもあったのです。ボアズは町の長老たちを招いて証人として立て、筋を通して話を進めました。その親類の人はエリメレクの土地を買い戻すことには承知したのですが、そうするためにはルツと結婚しなければならないことを知ると『買い戻し』の権利を放棄しました。ボアズは、ルツと正式に結婚することにしました。彼は自分の利益優先のために結婚したのではなくルツとナオミの幸せを考えて、神の導きに従ったのです。
三、主がほめたたえられる(ルツ4章12−22節)
ボアズはみんなの同意と祝福を得て、ルツと結婚をしました。そして、ルツは一人の男の子を出産しました。女の人たちは『イスラエルで、その名が伝えられるよう、きょう、買い戻す者をあなたに与えて、あなたの跡を絶やさなかった主が、ほめたたえられますように』といって祝福しました。ナオミは波乱万丈の人生ーー多くの苦しみと困難を経験した後に、神の大いなる祝福を受けたのです。
男の子はオベデと名づけられましたが、それは『仕える者』という意味でした。彼はダビデの祖父に当たり、やがてこの家系から、救い主イエスキリストがお生まれになったのです。異邦人ルツにとって、なんという光栄でしょう。
神は、ご自身を信じて従う者を見守り、助け、導いてくださいます。神だけが、私たちのすべてを知っておられ、最善の道を歩ませてくださるのです。人が見ていなくても、どんな境遇に会っても、神を信頼して心から人に仕える者になりたいものです。