『イエスキリストはすべての人の主です。』 (使徒10章36節)
一、コルネリオが見た幻(使徒10章1ー8節)
コルネリオは、カイザリヤに駐屯するローマ軍の百人隊長でした。彼は異邦人でありながら敬虔な人で、家族を含めて、ユダヤ人が信じて従っていた聖書の神を畏れ、ユダヤ人たちを経済的に援助していました。しかし、この時はまだ異邦人に福音が伝えられていなかったので、彼はまだ真の救い主であるイエスのことを知りませんでした。
ある日コルネリオが神に祈っていると、神の御使いが現れて、ヨッパという町にいるシモン(ペテロ)を招くようにと語りました。コルネリオは、神のことばを信仰によって受け止め、その理由を尋ねることなく、使いの者を早速ヨッパに遣わしました。カイザリヤとヨッパは、50kmほどの距離です。
二、ペテロが見た幻(9ー33節)
コルネリオからの使いがヨッパに到着しようとしている頃、ペテロは祈るために家の屋上に上がっていました。それは正午頃で、ペテロは空腹になって食事を待っていましたが、その間に眠くなり、幻を見たのです。11ー16節を読みましょう。ユダヤ教では食べてはならないとされていた動物を食べなさいと言われ、ペテロは『とんでもない』と拒絶しました。しかし主は『神が清めたものをきよくないといってはならない』とおっしゃいました。こんなやり取りが三度繰り返され、ペテロがその意味について思い巡らしていた時、ちょうどコルネリオの使いが到着しました。一方、その時屋上にいたペテロには、聖霊が臨んで『彼らと一緒にカイザリヤに行くように』と言われたのです。そこでペテロは、そのことばに従う決断をしました。
当時、ユダヤ人が異邦人を家の中に入れたり、異邦人の家を訪ねたりするのはありえないことだったので、ペテロの行動は驚くべきことでした。神が用意された幻と絶妙なタイミングによって導かれ、異邦人宣教の一歩が踏み出されたのです。
その頃コルネリオは、ペテロを通して神のことばを聞こうと、親族や友人を集めて彼らの到着を待っていました (33節)。
三、コルネリオと家族の救い(34ー48節)
ことの次第を知ったペテロは『どの国の人であっても神を恐れかしこみ、正義を行う人なら、神に受け入れられるのです。』(35節)という神のみこころをはっきりと悟りました。そして、主イエス・キリストがユダヤ人にも異邦人にもすべての人の主であり、十字架にかけられて三日目に復活されたことを伝えました。さらに、自分たちは主イエスの復活の証人であり、この御方を信じるならば、だれでも罪が赦されると語ったのです。
その場にいたすべての人々に聖霊が注がれるのを見たペテロは、コルネリオたちにバプテスマを受けるように命じました。神はこのようにして、異邦人にも救いの道をはっきりと示してくださったのです。
* 神は、別け隔てなくお救いになる。