バンクーバー便り(2010/9)

さすがの猛暑の日本も、もう涼しくなったことと思います。こちらバンクーバーはすっかり秋めいてきました。 今こちらで、話題となっていることは、鮭が遡上し始めたことです。例年は百万匹の鮭が遡上するといわれております。この近年、遡上する鮭の数がどんどん減少し、今に鮭が絶滅してしまうのではないか、現に昨年なんかフレーザー川のサケ漁が禁止されてしまいました。ところが、今年は驚くことなかれ、例年の30倍の三千万匹が遡上しているとのことです。これは日本の猛暑の日数と同じ様に、観測が開始されて以来最高の数字であるとのこと、科学者たちが驚いております。そのお陰で最も美味で大きなサーカイサーモンが一匹15ドルで買うことができます。食べたことがある人はお分かりのことと思いますが、養殖でないワイルドのサーカイサーモンは本当においしいですよ、それが安く手に入りますので、皆大喜びであります。  私たちのもう一つの喜びは、受洗決心者が起こされたことです。長井東美姉(以下Nさん)です。Nさんはパンアメリカン航空のスチュワーデスでした。私の家 内は“きっと若いときは背も高いし目を見張るほど美しかったのではないか”といっています。勿論今でも変わりなく美しいですが、バンクーバーの日航支店長 となられたご主人と結婚されました。ところがそのご主人は57歳の若さで急逝され、本当に悲しいときを過ごされました。しかしお子様が住むバンクーバーにそのまま住んで今日に至っています。今から2年ほど前、日本に住むご友人の紹介で私どもの教会へ導かれてきました。Nさんはいわば文学レディーでありまして、UBCの文学部教授の主宰する読書会に出席したり、非常に高度な文化人でありました。で すから物事をヒューマニスティック(人間本位的)に考える論理的な人でした。だからキリスト教の教理に何かと批判的となったり、理解に苦しんだりしており ました。先の洗礼準備会のとき私はそんなNさんにクリスチャンとは“第三者の傍観主義”的にイエスキリストを見るのではなく、キリストの側に身を置き、い わば今までと違って、背水の陣を敷いて生きることになりますよ、そして命がけでキリストを弁護弁証する人になることですよ。もう彼岸ではなく此岸にいることですよ。と脅かすようにいいました。そうすると、驚くことなかれ、“承知しております”と素直に答えられたのでした。私どもの教会のNさんをよく知る姉妹が“Nさんが洗礼受けるなんて信じられないワ”と驚き喜んでおりました。Nさんの洗礼式は10月の最初です。私ども開拓伝道を始めてもう6年そして二人目の受洗者です。それゆえ喜びはひとしおです。  

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