『ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。ひとりの男の子が、私たちに与えられる』 (イザヤ9章6節)
一、救い主の必要性(イザヤ7章14節)
神は、イエス・キリストの預言を預言者イザヤの口を通してイスラエルの人々に約束されました。
前に学んだソロモンの死後、イスラエルの国は南北に分裂しましたがBC72年に、北のイスラエル王国が滅んでしまいました。残った南のユダ王国も、経済的、物質的には栄える反面、偶像礼拝が広がり、道徳の乱れがひどいうえに、大国アッシリヤの脅威にさらされているという不安定な状態にありました。
9章2節を見ると、イザヤはこの国を『やみ』とか『死の陰の地』と呼んでいます。暗闇は光を必要とします。神は、ご自分から離れて罪の闇の中を歩いている民のために、愛のご計画を立てられました。人々のために救い主を送られるというご計画です。14節を読んで下さい。このことばが預言されたのは、預言が実現する700年も前のことでした。
イザヤは三つのことを預言しました。救い主が処女から生まれること。男の子であること。インマヌエルと名付けられること。
この預言を聞いて、人々はどんなに喜んだことでしょう。自分たちを暗闇から救い出す救い主がいらっしゃるのです。この預言こそ、暗闇を照らす一筋の光でした。
二、救い主の役割(イザヤ9章6,7節)
イザヤは救い主の御性質と働きについても預言しました。6、7節を読んで下さい。救い主が『助言者』(カウンセラー)だと書いてあるのを見ると、慰めや親しみを感じますね
。現代はカウンセリングや心理学が非常に流行しています。救い主はどんな有能なカウンセラーより私たちを理解し、正確なアドバイスを与えてくださいます。この方は優しいだけではありません。『力ある神』であり、私たちのために戦い、死から救い出してくださる力強いお方なのです。そして、父親のように永遠に私たちを保護し、愛し、支えてくださるお方でもあります。やがて、この方は、永遠に世界を治めて平和をもたらされるのです。
三救い主誕生の預言(ミカ5章2節)
救い主誕生については、イザヤのほかにも預言があります。イザヤと同時代に活躍した預言者ミカは、メシヤ(救い主)がベツレヘムで生まれることをはっきりと預言しました。2節を読みましょう。
ベツレヘムはエルサレムの南 8キロの丘陵地にある町です。ダビデ王が少年時代を過ごした町なので『ダビデの町』とも呼ばれています。それにしても、救い主が、宮殿のあるエルサレムではなく『ユダの氏族の中で最も小さい』町にお生まれになると言うのです。
二人の予言者は、闇の中に生きる人々に、罪を悔い改めて救い主の御降誕を待ち望むようにと語り続けました。私たちが生きる現代もまた、闇のような時代です。戦争、世界飢饉、政治の腐敗、性的堕落、オカルトの流行、地震と津波の噂、このよう中にあっても、私たちも御降誕の意味をよく考え、心からクリスマスを待ち望む者となりましょう。