定めの時が来たので

『この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。』(ヨハネ?章4節)

一、定めの時が来たので、(ガラテヤ4章4、5節)
 約束され、待ち望まれていた救い主の誕生の時が、いよいよやってきました。今から2,000年ほど前に、、とうとう神の御子の誕生の時が到来することになったのです
 なぜ『その時』とお定めになったのかは、神にお聞きしてみないとわかりません。けれども、今、歴史を振り返って当時の世界を考えてみると、実に雑妙なタイミングであった、と驚かずにはおられません。ダニエルの時代以後、諸帝国の興亡が繰り返された末に、ついにローマ帝国が末に、ついにローマ帝国が地中海世界全体を治めるようになっていました。
『すべての道はローマに通ず』ということばを聞いたことがあるでしょう。まさしく、この時代に、ローマ帝国によって各地に道路が整備されました。また、ギリシャ語を知っていれば不自由なく、安全に、世界を往来することができるようになったのです。
一方、ユダヤ人たちはローマ帝国の圧政に苦しみ、約束のメシヤに対する期待が高まっていました。そんな時代を神は選ばれました。 
二、エリヤの再来(ヨハネ1章1ー8節)
 定めの時を前にして、イスラエルの民がメシヤを迎える心の備えを出来るようにと、神は神は先駆けを送ってくださいました。バプテスマのヨハネは、預言者エリヤの再来として、人々の心を神に向き直させる務めを託されて生まれたのです
     (マタイ17章10ー13節)  
 祭司ザカリヤに現れた神使いは、ヨハネの働きについて、はっきりと告げています。ルカ?章13ー17節を読みましょう。ザカリヤ自身も、聖霊に満たされて預言した時に、ヨハネの役割を語っています (ルカ?章76、77節)。 

三、ヨハネの働き(ルカ3章1ー18節)
 バプテスマのヨハネが活動を始めたのはAD28年頃です。彼のメッセージは明快でした。『悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。』(マタイ3章2節)救い主の到来を待ち望んでいた民衆は『天の御国が近づいた』というヨハネのメッセージを聞いて深く考えこみ、自分を見つめ直すように促されました。また15節にあるように、もしかするとヨハネこそが、その約束のメシヤではないか、と考えました。
 それで、大勢の人がヨハネのところに、バプテスマをうけようとやってきました。マタイ3章5、6節を読みましょう。ヨハネのメッセージが国全体を揺るがしている、と言ってもよいほどの影響力があったようです。
 取税人には『決められたもの以上には取ってはいけません』、兵士には『力ずくで金を揺すってはいけません』と、具体的に悔い改めとその実を求めて、ヨハネは語り続けました。そのような働きを通して、主イエスの登場の道備えをしたのです。

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