人間関係についての教え

 自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい。(ルカ6章31節)

 一、あなたの敵を愛しなさい(ルカ6章27−31節)
『あなたの敵を愛しなさい』はイエスの教えの基本です(マタイ5章43、44節)。
ここでは、それに基づいて、七つの教訓が語られています。のろう者を祝福し、侮辱す
る者のために祈り、ほおを打つ者にはほかのほおを向け、上着を奪う者に下着をも与え
 奪う者から取り戻さず、自分の望むことを他人にする。これらの教訓は、具体的でしか
 も愛によっています。しかし、現実の人間関係においてこれらのことを行うことは難し
 い。確かに難しいことであるが、神の愛に満たされるときできるようになるの
信仰と愛をもって行うとき、すべての人間関係は美しく変えられるでしょう。

 二、あなたは神の子である。(32−36節

ここで、二つのことが強調されています。一つは罪人たちでさえ、同じことをしてい

ます』です。罪人とは、当時は取税人、遊女、異邦人たちのことで、社会的・宗教
 疎外されている者たちのことです。彼らでさえ、自分を愛する人を愛しています。
 もう一つは、『あなたがたは、いと高き方の子供になれます』で、神を知らない罪人
ではなく、神の子どもにふさわくふるまいなさいというのです。つまり、神の子どもに
ふさわしい、さらに優れた生き方が求められているのです。
神の子どもとしての人間関係は『あなた方の天の父があわれみ深いように、あなたが
 たも、あわれみ深くしなさい』(36節) と言われたことばに尽きます。地上にあって、
 神の子として生きるのです。

 三、あなたはさばいてはいけません(37、38節)人間の関係において、さばくことがいかに多いことでしょう。そのゆえに、イエスは『さばいてはならない』と繰り返し説いておられます (マタイ7章?ー5節)。ここでも
 同じ教えが四つの具体的な勧めとして、語られています。『さばいてはいけません』
『人を罪に定めてはいけません』『赦しなさい』『与えなさい』
 さばく者はさばかれ、ゆるす者はゆるされる。それが、人間関係の原則です。
『あなたがたは、人を量る量りで、自分も量り返してもらうからです』(38節)。
偽善者は、自分には甘く他人には厳しい。2つのはかりを使います。しかし、神は偽
 ることなく真実であり、同じはかりをもって量られるのです。このことが本当に分かっ
たなら、私たちは他者を安易にさばくことができなくなります。他人をさばくのではな
 く、キリストの十字架の愛によって赦し、共に仕えるものとなりましょう。

上部へスクロール